こんにちは!
健康オタクの銭君達です。
本日は食欲の科学について見ていきたいと思います。
僕は元々痩せ型タイプで少食なので、「食欲が止まらない」という感覚はあまり分からないタイプなのですが、時と場合によってはつい食べ過ぎてしまったことがありました。
この記事では、
- お腹いっぱいなのにまだ食べたい
- 食べても食べても食欲が収まらない
という一見不思議な現象はなぜ起こるのか?
そしてどのように対処すれば良いか解説していきます。
目次
「食欲を抑えられない=意志が弱い」は間違い
- 食欲が止まらない
- つい食べ過ぎてしまう
- 間食することに罪悪感を覚える
なんて方に認識して欲しいのは、「食欲を抑えられない=意志が弱い」は間違いであるということです。
私たちの体は遺伝子という生命の設計図を元に成り立っている、いわばバイオコンピューターのようなものです。
最初は一つの単細胞生物だったのが、計り知れない程の変化を遂げて人類という生命体となり、しかもその人類の中でも今生きている私たちは熾烈な生物競争を勝ち上がってきたわけです。
つまり私たちの体は非常によくできていて、めちゃくちゃ賢いはずなんです。
なので、例えば仕事でストレスを抱えて鬱状態になってしまっている人は、その人がダメ人間だから鬱になったのではなく、
体が「違う。お前の道はそっちじゃない」って教えてくれてるんですよ。
そしてこれは「食欲が止まらない」という悩みについても同じことが言えて、
つい食べ過ぎてしまったときに「自分はダメな人間だ」「何か欠陥があるんだ」と思うのではなく、
「体が自分に何かを伝えようとしている」と考えて欲しいのです。
食欲を抑えようとするのは、悲しいことがあって泣きたいのに泣くのを我慢するのと同じことです。
食欲が止まらないということは、ストレス、運動不足、睡眠不足、栄養不足といったふうに、別のところに必ず何か原因があり、
バイオコンピューターのバランスが崩れてしまっていることを意味します。
「食欲を無理に抑える」という対症療法で一時しのぎしようとするのではなく、その症状を生み出す根本原因を叩いてあげることで不調や病気は解決します。
お腹いっぱいなのに食欲が止まらない理由
「食欲を抑えられない=意志が弱い」が間違っているのであれば、それでは一体何が原因なのでしょうか?
食欲異常が起きている時は、先ほども言った通り、栄養不足、睡眠不足、運動不足、ストレスなど様々な要因が考えられますが、
「お腹いっぱいなのに食欲が止まらない」という場合は、食事内容に問題があると考えられます。
そしてその具体的な原因はと言うと、「体内のインスリン濃度が高まっているから」です。
インスリンとは血糖値を下げる働きを持つホルモンですが、このインスリンは肥満や食欲といったことと密接に関わっています。
少し専門的な話をすると、インスリンはHSL(ホルモン感受性リパーゼ)と呼ばれる、脂肪細胞を痩せさせるように働く酵素の働きを抑制することで中性脂肪における脂肪酸の放出を止め、それと同時にLPL(リパ蛋白リパーゼ)と呼ばれる酵素を介してより多くの脂肪酸を取り込むよう脂肪細胞にシグナルを送ります。

つまり、「インスリンは脂肪細胞の分解を抑えると同時に、更なる脂肪細胞の形成を促進する」のです。
そしてこれがどう食欲と関係するのかと言うと、インスリンの働きによって取り込まれたカロリーやブドウ糖が次々と脂肪細胞に取り込まれることによって、その他の体を動かす細胞に行き渡るカロリーが枯渇するため、体はそれを補うためにもっとエネルギーが必要だと感じ、結果的にたくさん食べているのにも関わらず食欲が増すのです。
血中のインスリン濃度は、主に摂取された炭水化物の量と質によって決定されます。
よって「お腹いっぱいなのに食欲が止まらない」のであれば、食事全体に占める炭水化物の割合が多い上に、精製度の高い質の悪い炭水化物を摂取していると考えられます。
お菓子や清涼飲料水などの甘いものがなかなかやめられないはこのためだったんですね。

過剰な食欲を生み出さないための対策

ここからは食欲異常を生み出さないための方法について、「食事」「睡眠」「運動」「メンタル」の4つの領域に分けてまとめていきます。
食事編
血糖値をなるべく上げない食べ方をする
先程説明したように血糖値が急激に上がるとインスリンが大量に分泌され、食欲が増しやすくなります。
お菓子やジュース、砂糖たっぷりの料理、精製された炭水化物等の頻繁な摂取は可能な限り避けた方がいいでしょう。
栄養バランスの取れた食事を心がける
当たり前のことですが、やはり栄養バランスは大切です。
「これだけ食べてれば健康」なんて食べ物は存在せず、炭水化物、脂質、タンパク質、ビタミン、ミネラル、食物繊維などの栄養素をまんべんなく摂取できる食事が理想です。
栄養のバランスが取れていないと、体が何かが足りないと感じ、食べ物にエネルギーを求めることで食欲が増すことになります。
よく噛む
これも当たり前のことではありますが、当たり前のことだからこそなかなか出来ない人が多いものです。
よく噛まないで食べてしまうと、満腹中枢が刺激されずについ食べて過ぎてしまう上に、栄養の消化吸収にも悪影響が出ます。
ただ「分かっちゃいるけど、つい飲み込んじゃうんだよね」なんて方も多いと思います。
そんなときは食べ物を噛む最中は、「舌先に意識を集中」してみてください。
というのも食べ物や唾を飲み込むときは自然と舌が口の奥に巻き込まれます。
逆に舌を歯の裏にベタっとくっつけながら唾を飲み込もうとすると、かなりやりづらいはずです。
さらに言えば完全に舌を口から出した状態であれば、唾を飲み込むことすらできないはずです(実際にやってみるとよく分かります笑)
よって食べ物を噛んでるときに舌先に意識を集中してみると、「つい飲み込んじゃう」ことがグッと減ると思います♪
睡眠編
質と量ともに良い睡眠を取る
睡眠不足になると食欲増進ホルモンであるグレリンの分泌レベルが増加すると同時に、食欲抑制ホルモンであるレプチンの分泌レベルが減少します。
このように睡眠は食欲とも深く関係しているため、しっかりと質の良い睡眠をとることが大切です。
運動編
有酸素運動と無酸素運動をそれぞれ適度に行う
運動は健康を維持する上でぜひ取り入れてほしい習慣です。
運動をすることでインスリンの効き目が良くなり、その結果インスリン濃度が低く抑えられることで過剰な食欲を避けられます。
ただし必要以上にやり過ぎてしまうと、ストレスホルモンであるコルチゾールが大量に分泌され、かえってインスリン抵抗性(インスリンの効き目が悪くなる)の原因になる恐れがあります。
メンタル編
日常生活においてなるべくストレスを溜め込まない
血糖値の上昇は食事だけでなく、ストレスを感じたときにも起こります。
ストレスを感じるということは、身の危険を感じるということなので、血糖値を高めてストレス原因に対して身構える必要があるからですね。
そのため特にストレスの影響が出やすい仕事や人間関係においては特に注意するようにしましょう。
瞑想する
瞑想は体内のコルチゾールレベルを優位に下げてくれる強力なツールです。
最初はなかなか習慣化するのが難しいかもしれませんが、慣れてくると瞑想の効果を身をもって体感できると思うので、いずれ進んで瞑想するようになるはずです♪
