こんにちは!
オプティマルヘルスコーチの銭君達です。
今回の記事では「腸内細菌を制するものは、健康を制す」と題して、
- 善玉菌(乳酸菌&ビフィズス菌)の特徴
- プロバイオティクスとプレバイオティクスの違い
- 腸内環境を整える具体的な食品
などについて解説してきたいと思います!
以下のような項目に当てはまる方であれば読んでおいて損はない内容になっております!
- 腸やお腹のトラブルを改善したい方
- 毎日をより快適に過ごしたい方
- 能力やパフォーマンスを発揮したい方
それでは早速見ていきましょう!
目次
「私たちの体は食べたものでできている」は間違い!?
「私たちの体は食べたものでできている」という言葉はよく聞きますよね。
確かに私たちの健康状態は日々食べているものによって大きく左右されるので食べ物に気を使うことは非常に大事です。
そのため「私たちの体は食べ物でできている」という言葉を完全なる間違いとは言いません。しかし、より正確な言い方があります。
それは「私たちの体は腸内細菌が食べたものを栄養素に変換した結果である」です。
食べ物を口に入れると食道を通り胃に到達、その後小腸で消化吸収が行われ、大腸で大便が形成されます。
そして、その小腸で消化吸収を行う際に大きな役割を担っているのがこの腸内細菌です。
この腸内細菌がお花畑のように腸管内に広がっている様を腸内フローラ(腸内細菌叢)と言い、この腸内フローラの組成は人によって全く違います。
例えば、一般的に太っている人と痩せている人の腸内フローラは対極的で、この2人が全く同じ食事を食べたとしても、「一方は太るが、一方は変わらない(あるいは痩せる)」ということが起こりえます。
そして腸内フローラの状態は体重だけでなく私たちの健康にも大きな影響を及ぼします。
腸内フローラに存在する有用菌(いわゆる善玉菌)が多ければビタミンBや葉酸といった栄養を作り出し、健康を維持する上で強力な味方になってくれます。
逆に人体にとって悪影響を及ぼす菌(いわゆる悪玉菌)が多ければ硫化水素やアンモニアといった有害物質を多く産生することにつながり、健康を害しやすくなってしまいます。
いくら健康的な食べ物を日々摂取していたとしても、それらの食べ物を迎える受け皿(腸内フローラ)がしっかりしていないと、せっかくの健康的な食事の効果を十分に引き出すことが出来なくなってしまいます。
そのため、「健康になるためには腸内フローラを改善することが最優先」と言えるのです。

腸内フローラはバランスが大事
「腸内フローラを改善することが最優先」ということは認識できましたが、それでは具体的にどんな状態の腸内フローラを目指せばいいのでしょうか?
腸内細菌は一般的に善玉菌、悪玉菌、そしてそのどちらにも属さない日和見菌の3つに分けられます。
そして健康的な腸内細菌のバランスを観察してみると「善玉菌:日和見菌:悪玉菌=2:7:1」の比率を保っていることが分かっています。
そのため「腸内フローラを改善する」とはこの「善玉菌:日和見菌:悪玉菌=2:7:1」のバランスを保つことと定義することができるでしょう。
注意点としてはこの「悪玉菌」という言葉は私たち人間が便宜上使っている言葉なだけであって、なにもその細菌達が人間に対して悪さをしようとしているわけではありません。
また、この悪玉菌は常に人体にとって有害というわけでもなく、環境が変化したり、そのほかの菌と一緒になることで私たちにとって有益な働きをする場合もあります。
「悪玉菌」というくらいだから全部なくなってしまえばいいと思ってしまいがちですが、いくら善玉菌を増やしたとしても悪玉菌が完全に無くなることはありません。
そのためやはり「全体のバランスを保つこと」という意識が大切になってきます。
善玉菌の代表格は乳酸菌とビフィズス菌
私たちの体の健康をサポートしてくれる「善玉菌」ですが、その善玉菌は大きく分けて以下の2つに分類できます👇
- 乳酸菌
- ビフィズス菌
もしかしたら「乳酸菌とビフィズス菌って同じものじゃないの?」と感じている方もいるかもしれませんが、実はこの2つには明確な違いがあります。
以下に乳酸菌とビフィズス菌の主な違いをまとめました👇
乳酸菌 | ビフィズス菌 | |
性質 | 主にブドウ糖などの糖質を分解して50%以上の乳酸を作り出す | オリゴ糖などの糖質を分解して乳酸や酢酸を作り出す |
生息環境 | 酸素があってもなくても生きていける(通性嫌気性菌) | 酸素があると生きていけない(嫌気性菌類) |
腸内での数 | 大便1gあたり1000万〜1億個(大腸の善玉菌の0.1%を占める) | 大便1gあたり100億〜1000億個(大腸の善玉菌の99.9%を占める) |
形状 | 球状(球菌)または棒状(桿菌) | V字型やY字型など様々 |
乳酸菌とビフィズス菌がなぜ「善玉菌」と呼ばれるのかには理由があります。
乳酸菌とビフィズス菌が作り出す「乳酸」や「酢酸」には腸管を刺激し、蠕動運動を活発にして便秘を防ぐ。また、腸を酸性に保つことにより、悪玉菌が増殖するのを防ぐといった働きをしてくれるからです。
その他にも以下のような役割を持つため、これらの善玉菌を増やすことで私たちの健康において素晴らしい恩恵を得ることができます👇
- 腸内環境を整える
- 消化吸収を助ける
- 免疫力を調整する
- ビタミンB群などのビタミンを合成する
- 腸管を保護する粘液づくりに関わる
- 脂肪細胞への脂肪蓄積を抑制する
ここで1つ、もしかしたらこういった疑問を持つ方がいるかもしれません👇
「あれ、別にビフィズス菌だけで乳酸菌は無くてもよくね?」という疑問です。
というのも、
- 健康を維持する上で「乳酸」や「酢酸」が大事なのは分かったけど、乳酸菌は乳酸だけ作り出すのに対し、ビフィズス菌は乳酸も酢酸もどちらも作れる
- それに大腸に存在する99.9%はビフィズス菌なら、乳酸菌の存在感全然無くない?
と自分も最初思ったからです(笑)
ただ、結論から言うと「乳酸菌もビフィズス菌もどちらも大事」です。
その理由は「小腸」と「大腸」それぞれの働きを知ることで見えてきます。
小腸と大腸はざっくりと以下のように定義することができます👇
- 小腸:食べ物を消化吸収する臓器
- 大腸:栄養を消化吸収した後の残りカスから大便を形成する臓器
そうです、小腸と大腸は同じ腸でも、それぞれ「食べ物を消化吸収する」「大便を形成する」とメインとする役割が異なります。
また、小腸には酸素は多く存在していますが、大腸にさしかかると(特に最後部のS状結腸から直腸にかけて)酸素がほとんど届かない状態になっていきます。

先ほどの「乳酸菌とビフィズス菌の違い」の表にも書きましたが、乳酸菌は酸素があってもなくても生きられるのに対し、ビフィズス菌は酸素があると生きていくことができません。
よって、ビフィズス菌は酸素がある小腸では生きていくことが出来ないのです。
そのため「乳酸菌は小腸が主戦場であり、ビフィズス菌は大腸が主戦場である」ということがわかります。
そして、小腸は「食べ物を消化吸収し、栄養に変換する」という大切な役割を持っているため、小腸を主戦場とする乳酸菌の存在がとても重要となってくるのです。
言い換えれば、「栄養を正しく吸収するためには乳酸菌が大切であり、便通を改善するためにはビフィズス菌が大切である」とまとめることが出来ます。
そのため、「乳酸菌もビフィズス菌もどちらも大事」と言えるのです。

善玉菌(乳酸菌・ビフィズス菌)を増やす2つの方法
善玉菌の代表格である乳酸菌とビフィズス菌の特徴や働きについて見てきましたが、これらの善玉菌を増やすにはどうすればいいのでしょうか?
善玉菌を増やす方法は主に以下の2つに分けられます👇
- 直接的に増やす(プロバイオティクスを摂取する)
- 間接的に増やす(プレバイオティクスを摂取する)
「プロバイオティクス」「プレバイオティクス」という言葉が出てきましたが、これらの言葉の定義は以下の通りです👇
- プロバイオティクス:腸内環境を改善し、人体にとって有益な働きをする微生物。またはそれらの微生物を含む食品
- プレバイオティクス:人体にすでに存在している有用菌を増やすための餌となる食物繊維やオリゴ糖
つまり、善玉菌を増やすための方法として、直接乳酸菌やビフィズス菌を含む食べ物(プロバイオティクス)を摂取する方法と、食物繊維やオリゴ糖(プレバイオティクス)を摂取して乳酸菌やビフィズス菌の餌となることで間接的に増やす方法と、2通りあります。
どちらかの方法を実践するだけでももちろん効果はありますが、やはり一番最強なのはどっちも行うことです。
このプロバイオティクスとプレバイオティクスを組み合わせて摂取することを「シンバイオティクス」といい、近年の研究でもその効果が明らかになってきています。
善玉菌を増やす食品
ここまで「シンバイオティクス」の実践には「プロバイオティクス」と「プレバイオティクス」の組み合わせが必要であることを見てきました。
そして記事の最後では、そのプロバイオティクスとプレバイオティクスの代表的な食品を紹介して締めたいと思います👇
代表的な発酵食品(プロバイオティクス)
発酵食品は乳酸菌やビフィズス菌といった善玉菌を豊富に含んでいるため、プロバイオティクスの代表的存在です。
日本で親しまれている発酵食品には以下のようなものがあります👇
- ヨーグルト
- ぬか漬け
- 味噌
- 塩麹
- 納豆
- キムチ
- チーズ
- 赤ワイン
その他にも、
- ザーサイ(中国)
- ザワークラウト(ドイツ)
- ピクルス(ヨーロッパ)
- ナタデココ(フィリピン)
など、その地域特有の発酵食品も多くあります。
色々あってどれを食べればいいか迷ってしまうかもしれませんが、一つの食品に偏るよりかは様々な食品を日々の食事に取り入れた方が効果的です。
というのも、善玉菌にも色々な種類があり、現在までに乳酸菌は400種類以上、ビフィズス菌は50種類以上存在することが分かっており、それらの種類によって体に与える効能も変わってくるからです。
代表的な食物繊維・オリゴ糖(プレバイオティクス)
乳酸菌やビフィズス菌などの餌となり、善玉菌を増やすことができる食物繊維やオリゴ糖をプレバイオティクスと言います。
そして食物繊維とオリゴ糖それぞれの定義は以下の通りです👇
- 食物繊維:ヒトの酵素で消化されない食品中の難消化性成分の総体
- オリゴ糖:単糖(それ以上分解できない最小単位の糖質)が2~10個結びついたもの(少糖類とも言う)
ここで大事なキーワードとなるのが「難消化性」という言葉です。
オリゴ糖には砂糖などに含まれる「ショ糖」、牛乳などに含まれる「乳糖」といったヒトの消化酵素によって分解される「消化性オリゴ糖」と、ヒトの酵素によって消化されずに大腸まで届く「難消化性オリゴ糖」の2つに分けられます。
そしてプレバイオティクスはこれらのうちの「難消化性オリゴ糖」のことを指します。
通常、私たちが食べる食べ物に含まれる栄養素である「糖質」や「タンパク質」「脂質」といったものは小腸で消化吸収が行われます。
しかし、食物繊維や難消化性オリゴ糖の場合、小腸内にあるヒトの消化酵素では消化することが出来ません。
そのため小腸をくぐり抜けて大腸まで到達することが出来ます。
そして、それらの難消化性成分は大腸内にいる多くの腸内細菌によっても分解することが出来ません。
ところが、大腸内の善玉菌として不動の地位を誇るビフィズス菌だけはこれらの難消化性成分を分解できる多数の酵素を持っています。
こうしてビフィズス菌は酸素が届かない大腸の下部に住んでいても、食物繊維やオリゴ糖を貴重な栄養素として分解および利用することができ、その結果自分自身を増殖させることができるのです!
おすすめの食物繊維・オリゴ糖には以下のようなものがあります👇
- 野菜類:ブロッコリー、キャベツ、ごぼう、セロリなど
- 果物類:バナナ、りんご、キウイ、プルーン、アボカドなど
- 豆類・ナッツ類:大豆、アーモンドなど
- 海藻類:ひじき、わかめ、昆布など
ダイエットや便秘・下痢といったお腹のトラブルで悩んでいる方は上記に挙げた食材を意識して日々の食事に取り入れてみてください。
ダイエットしたい方にとっては、食物繊維とオリゴ糖は血糖値を上げない食材のため、非常に心強い味方になってくれます。
また、「便通を改善したい」という悩みを持つ方はぜひ意識して食物繊維やオリゴ糖を食べてみてください。
私もつい最近まで極度の便秘で悩んでいたのですが、マグネシウムと水溶性食物繊維が豊富な「ひじき」、ビタミンCが豊富な「ブロッコリーとキウイ」、オレイン酸と食物繊維が豊富な「アボカド」などを食生活に取り入れるようにしたら、毎朝モリモリ大便が出るようになりました(笑)
私がいかに便秘に苦しんでいたかを知りたい物好きな方はこちら👇
