この記事を見ているということは、おそらくあなたも便秘や下痢などのお腹のトラブルを抱えていることでしょう。
私自身もつい最近まで便秘・腹痛・下痢によく悩まされていました。
お腹のトラブルって地味な症状に見えて、実際体験してみるとめちゃくちゃQOL低下しますよね(笑)
なのでどうにか解消したいと思って色々試行錯誤していたのですが、その甲斐もあって最近は症状がだいぶ和らぎました。
今回の記事ではそんなお腹のトラブル・IBS(過敏性腸症候群)を治すために効果があったと思われる食生活の変化を5つにまとめて紹介していきます!
目次
IBS(過敏性腸症候群)とは?
2006年に発表された国際的な診断基準(Rome III)によると、IBS(過敏性腸症候群)の定義は以下のとおりです👇
Rome III 基準
「反復する腹痛または腹部不快感が、最近の3ヶ月のうち少なくとも1ヶ月に3日以上存在して、しかもそれらの症状が以下の3つの2つ以上を伴う」
- 症状が排便により軽快する
- 症状の発現が排便頻度の変化を伴う
- 症状の発現が便性状の変化を伴う
さらに、IBSを症状別に分類するとすると、一般的に以下の3つのタイプに分けられます👇
- 下痢型:軟便や水様便が25%以上あり、硬い便やコロコロの便が25%未満
- 便秘型:固い弁や兎糞状の弁が25%以上あり、軟便や水様便が25未満
- 混合型:固い弁や兎糞状の弁が25%以上あり、軟便や水様便も25%以上ある
しかし、便の性状を把握したとしても、IBSを引き起こす原因が分からなければ、肝心の解決法が見つかりません。
そこで、内視鏡検査の方法として、「浸水法」という手法を開発した水上健先生によると、IBSは主に以下の3つの原因に分類できるとしています👇
- ストレス型IBS:強いストレスがきっかけとなって下痢の悪循環が起こるタイプ
- 腸管形態型IBS:大腸の形が原因で便秘を起こしたり、便秘と下痢を繰り返すタイプ
- 胆汁性下痢型IBS:消化液である胆汁に過剰反応して食後すぐに下痢を起こすタイプ

こんな症状に苦しめられた
自分のIBSのタイプはというと、「腸管形態型IBS」に一番近いのかなと思います。
基本的には常に便秘で、3~5日うんちが出ないのはザラでした。
排便できたとしても小さくて硬いうんちがコロコロと出るだけで、常にお腹の中にうんちがずっと溜まってる感覚なんですよ。
それで2週間に1回くらいのペースでとんでもなく痛い腹痛に襲われます。
めちゃくちゃ痛いのでトイレに行くんだけれども、これが全然出ないんですよ。
便が硬くて出ないというよりかは、直腸の部分で渋滞を起こして出ないという感じです。
そうして30分〜1時間ほど耐え難い痛みに襲われながら、便が下痢となって溜まっていたものが全て排出されていきます。
便が全部出切ったら腹痛はだいぶ治まるのですが、スッキリしたというよりかは正気をごっそり抜き取られた感じになります( ̄▽ ̄)
この腹痛が何にもしてないときに来ればまだいいんですが、いつ来るか予測出来ないんでめちゃくちゃストレス溜まるんですよ(笑)
こんな感じで日常生活に支障をきたすこともしばしばありました👇
- トイレに行って排便を試みるも、便秘すぎて口から食べたものが出てくる
- バスケの練習中に腹痛に襲われ1時間トイレに籠る
- 友達と遊んでいるのにお腹が痛くなり45分友達を待たせる(ごめんなさいm(_ _)m)
ここまでくると流石にどうにかしたいと思い、便秘の原因や解消法を色々調べました。
そこで「グルテンフリー、FODMAPなどの食事法がIBSに効くらしい」みたいなことを知り、それらを実践しましたが自分にはあまり効果は感じられませんでした。
また、辛すぎてどうしても解決したくて20代前半にして大腸検査もしました(結局原因はわかりませんでしたが…)
大腸検査時の体験談はこちら👇
IBS脱却のためにやった食生活の変化5つ
さて、前置きが長くなってしまいましたが、ここからは私がIBS克服のために効果があったと感じる食生活の変化を見ていきます。
それは以下の5つです👇
- 加工食品などの質の悪い食材を取り除く
- 栄養バランスのある食事を3食しっかり食べる
- 適切な水分量を確保する
- マグネシウム豊富な食材を食べる
- 食物繊維・オリゴ糖豊富な食材を食べる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1. 加工食品などの質の悪い食材を取り除く
まず初めに取り組んだこととして、以下のような質の悪い食材を食生活から取り除きました👇
- 加工食品(ソーセージや冷凍食品)
- 食卓塩
- 砂糖
- サラダ油・キャノーラ油
こういった食材は健康の観点から見ればあまりよろしくないもの達なので、とりあえず全て排除しました。
特にソーセージや冷凍パスタなんかは手軽で美味しいので、これらを断った直後の頃はつい食べてしまいたくなりましたが、数日我慢することで欲求は次第に消えていきました。
2. 栄養バランスのある食事を3食しっかり食べる
先ほど挙げたものを排除した代わりに、以下のような健康的で栄養のある食べ物に置き換えました👇
- ソーセージ → 卵、鶏肉、魚
- 加工食品 → 自然食品
- 食卓塩 → 平釜製法の海塩
- サラダ油・キャノーラ油 → オリーブオイル・亜麻仁油
タンパク質についてはこれまでよく食べていたソーセージを完全にやめ、卵、鶏肉、魚などをバランスよく食べるようにしました。
塩に関しては食卓塩を使うのをやめて、平釜製法の海塩を使うようになりました。
市販されている食卓塩は、成分がほとんど塩化ナトリウムで構成されており、カルシウム、ナトリウム、マグネシウム、カリウムといったミネラルがほとんど含まれていないため、あまりオススメできません。
しかもミネラルバランスの取れた海塩なら塩本来の美味さがあって、初めて味見したときはめちゃくちゃビックリしました(笑)
油に関してもサラダ油やキャノーラ油ではなく、オリーブオイルや亜麻仁油といったものに変更しました。
オリーブオイルなんかは野菜やサラダなんかにかけてもいいし、調理用にも使えます。
便通の改善も期待できるので、便秘気味の人には特にオススメです。
3. 適切な水分量を確保する
便秘で悩んでいた頃は、毎日コップ2,3杯程の水しか飲んでいませんでした。
そして現在は意識して1~1.5L摂取するようにしています。
1日に飲む水分摂取量としては、「体重(kg)× 0.02 」が目安です。
体重が60kgの人の場合、1.2Lになります。
というのも、人間の1日の水分排出量は、尿や便、呼気、汗などを合わせて約2.5L失われます。
では毎日2.5L水を飲む必要があるかというとそうではなく、体内の代謝によって作られる水分が約0.3L、食事などで得られる水分が約1Lのため、残った1.2Lを飲み水から摂取する必要がある、ということです。
以前の私のように、「自分はそんなに水を飲まなくても大丈夫」と思っていたとしても、実際には体が頑張って足りない分の水分をかき集めて、私たちの恒常性(ホメオスタシス)を維持している場合があります。
そうして本来であれば排泄するために使用されるはずであった水分が失われ、結果的に便が固くなりやすくなってしまいます。
4. マグネシウム豊富な食材を食べる
4つ目の食生活の変化のキーワードは「マグネシウム」です。
実はこれが一番効果があったと感じています。
マグネシウムは「酸化マグネシウム」としても便秘薬の中でよく使われています。
大腸は水分を吸収する役目を担っていますが、マグネシウムは大腸が水分を吸収するのを抑制し、腸管内の水分をいつもより多く保たせる働きがあります。
そのため、マグネシウム豊富な食材を摂ると便の通りが良くなるのです。
そしてそんな便秘気味に人にとって救世主とも言えるマグネシウムは以下のような食材に多く含まれています👇
- 海藻類(ひじき、海苔、わかめ、昆布)
- きな粉
- 玄米
- 納豆
- あさり
- 牡蠣
- ほうれん草
- サツマイモ
- バナナ
中でもひじきやわかめといった海藻類はマグネシウムが特に豊富に含まれており、自分はこれらを食べた日の翌日にすぐに効果を体感することができました。
5. 食物繊維・オリゴ糖豊富な食材を食べる
最後は「食物繊維・オリゴ糖」です。
一昔前までは「食物繊維は栄養にならない無駄な食べものだ」なんて言われていましたが、今となってはその健康効果は広く知られています。
食物繊維は「排便力の向上」のみならず、「腸内環境改善」「食欲抑制」「血糖値の安定化」「免疫調節」など、私たちの健康を支える上で様々な働きをしてくれています。
ただし、注意点としては食物繊維にも「適切な摂り方」があるということです。
食物繊維には水に溶けない「不溶性食物繊維」と、水に溶ける「水溶性食物繊維」があります。
そして食物繊維は食物繊維でも、不溶性食物繊維ばかりを摂ってしまうと、かえって便秘になりやすくなってしまいます。
食物繊維が多く含まれる食材の中でも、多くの食材が不溶性食物繊維の割合が大きいです。
「便秘を改善したいなら食物繊維だ!」と意識して食物繊維を摂ったとしても、なかなか便通が改善されないのはこのためです。
よって便秘を治したいなら意識して「水溶性食物繊維」を積極的に摂る必要があります。
そして水溶性食物繊維は以下のような食材に多く含まれています👇
- もち麦などの大麦
- 果物や野菜
- もずく、わかめ、昆布などの海藻類
- ゴボウや芋類
食物繊維・オリゴ糖といったプレバイオティクスについてより詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください👇
食生活を変えれば、人生が変わる
上記に挙げた5つ以外にも、
- 睡眠を大切にする
- 定期的に運動する
- 毎朝トイレに行く習慣をつける
といった要素ももちろん大事ですが、IBSを克服する上で最も優先順位が高いのはやはり「食生活の改善」です。
食生活を改善したことにより、毎朝必ずうんちが出るようになり、以前のような耐えがたい腹痛に襲われることもなくなりました。
人はモノであり物質です。
そしてそのモノは毎日食べる食材の影響をモロに受けます。
そのため、「食事に気を遣わないということは、自分を大切にしないことと同義」です。
普段何気なく摂っている食事、その一口一口が私たちの身体を形作っていることを忘れずにいたいものですね。