こんにちは!
最近健康医学に対する興味が止まらない銭君達です。
今回の記事はタイトルにもある通り「カロリーに関する誤解3選」ということで、
- ついつい食べすぎちゃうんだよね…
- なかなか痩せられないんだよね…
- ぜんぜん脂肪が落ちないんだよね…
といった悩みを持った方に特に読んで欲しい内容となっております!
それではやっていきましょう!
目次
誤解①:食べ物はカロリーである
「え、食べ物ってカロリーじゃないの?」と思われるかもしれません。
確かに食べ物のエネルギーはカロリーで表されますが、食べ物を食べるときに「カロリーが多いか少ないか」という判断軸のみを持ってしまうと痛い目を見ます。
例えば以下の図を見てください👇

エネルギーの摂取は食事からのみであるのに対し、消費エネルギーの種類は以下の3つに分けられます👇
- 基礎代謝(消費割合:60%)
- 身体活動量:生活における動きや運動(消費割合:30%)
- 食事誘発性熱産生(消費割合:10%)
そしてこのエネルギーバランスが、「摂取エネルギーが多い方に傾いた場合に太り、消費エネルギーが多い方に傾いた場合に痩せる」というのがこれまでの考え方でした。
しかしながら、我々の体はこれほどまでに単純なものなのでしょうか?
実際には肥満を引き起こす要因はエネルギーバランスのみならず、
- 環境性化学物質
- ミトコンドリア機能不全
- ストレス
- 栄養不足
- 遺伝子発現
- 腸内環境の変化
- 社会環境の変化
- ホルモンバランス
などなど多岐に渡ります。
つまり、我々の人体の代謝メカニズムにおける働きは内部と外部含め複数の要因が複雑に絡み合っているのです。
これはガリレオが考えた理論をもとに行われた「羽と鉄球の落下実験」に例えることができます。
学生時代の理科の授業で、「羽がゆっくり落ちるのは空気抵抗のせいであり、真空中であれば羽と鉄球が同じ速度で落下する」ということを学んだかと思います。
人体を通る食べ物もこれと同じです。
考えてみれば私たちの体は口から物を入れて肛門から余分な物を排出する一本の管のようなものです。
この管の中身が何にもない真空であれば、そこを食べ物が通ったとしても上から下に移動するだけで何も起きません。
しかし私たちの体は神秘に満ち、複雑な構造であると同時に非常に精巧に作られており、その構成は人によっても大きく変わります。
そんなブラックボックスを異なる食べ物が通過した場合、その人体に起こる変化は当然異なるものになるはずです。
(実際に真空中で羽と鉄球を落下させる実験動画があったので貼っておきます👇)
(※落下の瞬間は2:35から)

真実①:食べ物はカロリーではなく「情報」
このように考えていくと、食べ物はエネルギーの総量を表す「カロリー」として捉えるのではなく、「情報」として捉えたほうが好ましいことが分かります。
私たちが毎日食べる食べ物、その一口一口が人体に対して特定の情報を与えることにつながり、それらの情報をベースに遺伝子発現が起きたり、腸内環境に変化が生じるといったことが起こるのです。
そこに質の悪い情報を与えると人体は次第に汚染されていき、逆に質の良い情報を与えることで生体機能は最適化されていき活性化します。
冗長で質の低いコードでプログラムされたソフトウェアが粗悪なものとなり、簡潔で読みやすいコードでプログラムされたソフトウェアが品質の高いものになるのと同様に、
私たちの人体(生物学的ソフトウェア)にもハイクオリティな情報を届ける必要があるのです。
エネルギーバランスのことについてはこちらの記事でも解説しているのでよかったらご覧ください👇
誤解②:痩せられないのは意志の力が弱いせい
巷ではよく、「意志が弱いからつい食べてしまう」「痩せられないのはあなたの意志が弱いからだよ」なんてことを聞きますよね。
でも果たしてこれは本当にそうなのでしょうか?
体重を落として痩せるためには、頑張って食べたい欲求を我慢するしかないのでしょうか?
ここで面白い研究を紹介します。
2012年、デイビット・ルドウィック医師により、以下のような実験が行われました👇(論文はこちら)
21人の過体重もしくは肥満の若者を集め、10%〜15%体重を減少させた後、以下の3つの食事構成の食生活をランダムで4週間(計12週間)ずつ行ってもらい、食事構成が体に与える影響を調べました。(※カロリーは全て同じです)
- 炭水化物:脂質:タンパク質 = 60:20:20 (高炭水化物&低脂質)
- 炭水化物:脂質:タンパク質 = 40:40:20
- 炭水化物:脂質:タンパク質 = 10:60:30 (低炭水化物&高脂質)
その結果、①の食事構成(高炭水化物&低脂質)の食事を摂った場合に最も代謝の低下が大きく、③の食事構成(低炭水化物&高脂質)の食事を摂った場合が最も代謝の低下が小さかったのです。
しかもその代謝量の違いは①と③で300kcalも違っていたそうです。これは1時間のランニングに相当する数字です。
つまり、炭水化物多めで脂質少なめの食事を摂ると代謝の低下が促進され痩せにくい体になり、炭水化物少なめで脂質多めの食事の場合はこれまでの代謝量が維持されて痩せやすい体を保った、ということです。
真実②:痩せられないのは代謝の低下のせい
この実験から得られた結果により、白米や砂糖などの糖質を多量に摂ってしまうと代謝が落ちて痩せにくい体になってしまうことがわかりました。
この結果はカロリー制限をしても体重が減らないケースを説明することもできます。
カロリー制限をして体重減少を試みようとしても、
- 炭水化物をたくさん摂っていた場合代謝量が低下する
- エネルギー不足により生体が危機を察知し代謝が落ちる
- それと同時に飢餓感が増す
といった原因が重なり、摂取カロリーを減らしてるのに全く痩せない、あるいはかえって太ってしまうといった事態になってしまうのです。
ただ、かといって糖質を全く摂取しないとなると、それはそれでまた違った問題が生じる可能性があるので、健康的に体重を減らしたいならまずは「現在の普段の食事の炭水化物量をいつもより少なめにする」という意識で生活してみてください。

誤解③:食べすぎが肥満を引き起こす
カロリーに関する誤解の3つ目は「食べ過ぎが肥満を引き起こす」です。
もちろん過ぎたるは及ばざるが如しという諺もある通り食べ過ぎはよくありません。
ただ誤解①でも言った通り、食べ物はカロリーよりも情報と捉える、つまりカロリーの量よりも質を重視する必要があります。
たとえ少しばかり食べ過ぎていたとしても糖質量が抑えられていれば肥満にはなりにくいのです。
真実③:肥満が過食を促進する
従来の考え方は「摂取エネルギーが消費エネルギーを上回ると太る」というものでした。
これは「食べ過ぎは肥満に繋がる」という理論ですが実はこれは間違いで、「肥満が過食を促進する」のです。
つまり因果関係が逆なのです。
以下が肥満が過食を促進させる仕組みです👇
- 炭水化物や砂糖を大量に摂取すると血糖値が上昇する
- 血糖値を下げるために膵臓から大量にインシュリンが分泌される
- インシュリンは血中のブドウ糖を細胞に取り込ませエネルギーとし、ブドウ糖の余った分は脂肪として蓄積されこれにより肥満になっていく
- 高血糖状態が続くとインシュリンの効き目が次第に薄まり、細胞がブドウ糖を上手く取り込むことができずエネルギー不足状態になる
- その結果体内の細胞がエネルギー不足および飢餓状態となり、疲れやすくなると同時に過食を引き起こす
- 以下ループを繰り返し、負のスパイラルに陥る
といったふうに、この負の連鎖が大きくなればなるほどそこから抜け出すのが困難になってきます。
そしてこういった事態に陥らないためには、
- 炭水化物や砂糖を取り過ぎない
- なるべく全粒のものを食べて血糖値の急上昇を防ぐ
- 適度に運動してインスリンの効き目を高める
- ビタミン・ミネラルが豊富な野菜と果物を多めに摂る
といった生活習慣を心がける必要があります。

以上、みんな知らないカロリーに関する誤解TOP3でした!
それではまた!