突然ですが皆さんは自信を持って「自分は今健康である」と言えるでしょうか?
「生まれてから死ぬまで100%常に健康」という方はいないと思うので、健康状態にはアップダウンが付き物のです。
- 最近はめっちゃ体調いい!
- うーん、微妙かな…
- マジで近頃ストレスやばい…
と色んな方がいるとは思いますが、
この記事では自分の健康状態を見つめるうえで、誰にとっても参考になる重要な2つの要因について紹介していきます。
目次
不調や病気をもたらす2つの原因とは
不調や病気をもたらす2つの大きな原因とは一体何なのか?
それは「低体温」と「低酸素」です。
まぁ見るからにこの2つの状態は不健康そうですよね…(笑)
「低体温」と「低酸素」の状態になる要因としては、栄養不足や運動不足、その他筋肉量の低下など考えられるものは色々ありますが、
1番見過ごられがちなのが「ストレス」です。
- ストレスが発生
- 交感神経が刺激される
- アドレナリンやノルアドレナリンを分泌
- 血管が収縮し、血流が止まる
- 低体温・低酸素状態になる
というメカニズムにより引き起こされます。
低体温と低酸素になる原因は理解できましたが、それでは実際に低体温と低酸素になるとなぜ不調や病気になりやすいのでしょうか?
人体に備わる2つのエネルギー工場
低体温・低酸素状態の弊害を見ていく前に、我々の体に備わる「2つのエネルギー工場」について説明させてください。
人間は常にエネルギーを消費して生きています。
そのエネルギーはATP(アデノシン三リン酸)であり、「エネルギーの通貨」とも呼ばれます。
そしてこのATPを人体において産生するプロセスには大きく分けて2種類あり、それが「解糖系」と「ミトコンドリア系」です。
解糖系
- ミトコンドリアを経由せず、ブドウ糖を分解してすぐにエネルギーとして使えるため即時性はあるが、作られるエネルギー量は少なめ。
- エネルギー材料は糖質のみであり、そのほかの栄養素や酸素を一切必要としない。
ミトコンドリア系
- 糖質以外の栄養素(タンパク質や脂質)から得たエネルギーに加えて、酸素や日光など他の要素とも関わっている。
- エネルギーの産生プロセスが複雑であり時間もかかるが、解糖系に比べて何倍ものエネルギーを生み出すことができる。

この両者の違いを表にしてまとめると以下のようになります👇
解糖系 | ミトコンドリア系 | |
原料 | 糖質 | 三大栄養素や酸素、日光など |
特徴 | 直接的で即効性がある | 間接的で持久力重視 |
エネルギー量 | 2ATP(グルコース1分子あたり) | 36ATP(グルコース1分子あたり) |
酸素の有無 | 酸素を一切必要としない(嫌気性) | 酸素を必要とする(好気性) |

「低体温・低酸素」になるとどうなるか
それではいよいよ「なぜ低体温・低酸素が不調や病気を引き起こすのか」、日本人の死因のうちの3割を占めるとも言われている「がん」を例にとって見ていきます。
がんが発生するメカニズム
「がん」という言葉を聞くと、「悪者」であったり「生命活動を続ける上で生じた欠陥」のようなネガテイブなイメージを抱く方も多いと思います。
ただ、がんが発生するメカニズムを知ると、このイメージがガラッと変わるかもしれません。
というのも、低体温・低酸素の状態が長続きすると、体が生命の危険を感じ低体温および低酸素に適応しようとする細胞が現れます。
そうです。これがいわゆる「細胞のがん化」です。
つまり、実は「がん」というのは「我々の体を蝕む悪者」ではなく、外界に対して適応を試みて生命を維持しようとする「健気な頑張り者」なのです。
そのほかにも低体温・低酸素と関わりのある疾病を挙げると以下のようのものがあり、体に様々な悪影響を及ぼします👇
- 糖尿病
- 冷え性
- 生理不順
- 免疫力の低下
- 消化機能の低下
- 心肺機能の低下
- 思考力の鈍化
「低体温・低酸素」= 解糖系優位
ここで今一度先ほど紹介した人体に備わる「2つのエネルギー工場」を思い出してみてください。
人体には「解糖系」と「ミトコンドリア系」の2種類のエネルギープロセスが存在し、以下のような特徴を持ってました👇
- 「解糖系」:酸素を必要とせずブドウ糖を分解して即座にエネルギーを得る。ただしエネルギー量は少なめ。
- 「ミトコンドリア系」:三大栄養素や酸素、日光を利用して複雑なプロセスを経てエネルギーを得る。手間はかかるが得られるエネルギー量は膨大。
もうお気づきの方もいるかもしれませんが、
「低体温・低酸素」という状態は酸素や日光などの多様なエネルギー源が不足するため、「解糖系優位」の状態になりやすく、「解糖系に傾きすぎてしまっている」のです。
解糖系に傾きすぎてしまうと、瞬発力があるので一時的には力を発揮できますが、エネルギー量が少ないため持続しません。
全力疾走(解糖系)は短い時間なら大丈夫ですが長く持たないのと同じで、人生においてもストレスフルな生活(交感神経優位で低酸素状態)は長続きせず、近いうちにガタが来てしまうのです。

ホリスティック栄養学の考え方
従来の栄養学や健康医学の考え方では、「低体温・低酸素」状態を脱するために「食事療法」や「運動療法」を中心に取り組むことが主流でした。
ストレスは食事や運動と違って抽象的な概念であるため、「具体的な対策を取りづらい」ということも関係しているのかもしれません。
ただ21世紀に突入したことで文明の発達が加速し、変化の激しい時代になるとともに、人類史上かつてないほどのストレスに見舞われる社会になっています。
そのため「食事療法」や「運動療法」の考え方だけでは、現代人の健康を維持することが難しくなってきています。
そこで現在アメリカを中心に盛んになってきている考え方が「ホリスティック栄養学」です。
「ホリスティック(holistic)」とは「全体的な、全体観の」という意味で、患部の治療のみを目的とした対症療法とは違い、
その人の「肉体的・精神的・社会的な健康」のようにあらゆる観点で健康を全体的に捉えるということです。
例えば、現在私が在籍しているNYを拠点とした世界最大の栄養学校である「Institute for Integrative Nutrition」では人々の健康を以下の12項目で捉えています👇
- 創造性
- 財政
- 仕事
- 教育
- 健康
- 身体活動
- 家庭料理
- 家庭環境
- 人間関係
- 社会的交流
- 喜び
- 精神性
「The Circle of Life」
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© 2017 Integrative Nutrition, Inc.
余談ですがこれら12項目において自分の人生が今どんな状態にあるか明らかにしたいというかたは、こちらのワークをやってみてください♪
低体温と低酸素を防ぐ生き方
これまで「低体温・低酸素」状態がなぜ危険なのか、そしてそんな状態を引き起こす1番の要因は「ストレス」であることをお伝えしました。
では低体温及び低酸素状態に陥ることを防ぎ、ストレスを溜め込まないために具体的にどんな生き方を実践すればいいか、簡単にですが以下にまとめてみました👇
- 不安やストレスにしっかりと目を向ける
- 「頑張りすぎず、怠けすぎず」を心がける
- 体を冷やさない工夫をする
- 有酸素運動をして定期的に酸素を取り込む
- 筋力トレーニングを習慣的に行い、体温を維持する
- 自分なりのセルフケアの方法を見つけて実践する
- 笑いや感謝、楽観的思考などのポジティブ感情を大切にする
- 自分にとっての生きがいや人生の目的を見出す

参考文献
おわりに
いかがだったでしょうか。
注意していただきたいのは何も「低体温・低酸素な状態」が絶対的に悪いというわけではありません。
陸上の100m走を思い浮かべるとわかりやすいと思いますが、
- ここ一番のエネルギーが欲しい!
- 今この瞬間にこの壁を乗り越える必要がある!
というときには「低体温・低酸素(解糖系優位)」な状態は我々に非常に強力な力を与えてくれます。
ただし、人間は完璧じゃないので「常に全力疾走することはできない」と心に留めておきましょう。
人生は長いようで短いようで長いです(笑)
他人の期待に応えようとしすぎたり、成果を求めすぎるあまり生き急いでしまい、結果的にパフォーマンスが下がったり再起不能になってしまっては元も子もありません。
かといって怠けすぎるのは我々の生気を奪い、知らぬ間に堕落していきます。
大切なキーワードは「調和」です。
何事にもバランスが大切ですので、自分の健康状態を客観的に捉えながらコントロールしていき、人生を最大限に楽しみましょう。
この記事が少しでもお役に立てれば幸いです!
それでは〜!