どうも!オプティマルヘルスコーチの銭君達です!
本日は「摂食障害」についての記事を書いていきたいと思います。
摂食障害は女性、特に10代の学生に多い障害です。
2002年に京都のの女子高生・大学生を対象に行われた調査によると、拒食症(神経性やせ症)が0.43%、過食症(神経性過食症)が2.32%、その他の摂食障害も含めると全体の10%近くが症状を抱えていることが分かっています。
この数字を見ると「そんなにいるのかな?」とも思ったりしますが、1人で抱え込んでしまい周りに気付いてもらえてない可能性も十分考えられます。
摂食障害は一度発症するとそのまま中高年まで障害を抱え続けるケースも少なくないので、症状に気付いたら可能な限り早い段階でしっかりと治療することが必要です。
目次
摂食障害の3パターン
摂食障害とは、「食事を自分でコントロールできない」「必要な量の食べ物を食べられない」といった食生活や食行動を中心に現れる様々な病気や症状のことを指します。
摂食障害は個人の体質や性格、価値観などに大きく左右されるもののため、細かく分類しようと思えばその種類は多岐に渡ります。
また、一般的には摂食障害の男女比は1:10とされていて、圧倒的に女性に多い症状です。
この記事では代表的な摂食障害として以下の3つを紹介します👇
- オルトレキシア
- 拒食症
- 過食症
順番に見ていきましょう。
1. オルトレキシア(ON:Orthorexia Nervosa)
1つ目は「オルトレキシア」です。
もしかしたら拒食症や過食症に比べてあまり馴染みのない言葉かもしれません。
オルトレキシアとは簡単に言うと「適切な食生活に対する強いこだわり」という意味であり、健康的な食事に気を遣いすぎてしまうことによって生じる摂食障害、および精神障害のことを指します。
食材の品質や鮮度に過剰に固執したり、健康的な食生活に多大な労力やお金をかけることを厭いません。
少しでも自分の納得のいかない食事をしてしまった場合、自分に対する罪悪感・嫌悪感を感じたり、外食や社会的交流を避けてしまうせいで社会的孤立を経験したりします。
近年の健康ブームの台頭によりオルトレキシアの人口は増え続けており、欧米では全人口の5%近くがオルトレキシアの症状に当てはまるとも言われています。
原因
オルトレキシアになる原因としては以下のようなものが挙げられます👇
- 不健康な食事に対する過剰な恐れ
- トラウマ体験となるような出来事の経験(不摂生な生活を理由とするパートナーの死など)
- 自分や近親者、友達が大きな病気にかかったことがある
- 厳格な食事管理が自身のアイデンティティを保つことに繋がると考えている
治し方・対処法
オルトレキシアの治し方、および対処法には多種多様な方法がありますが、主に以下のようなものが挙げられます👇
- 定期的な瞑想の実践
- 90/10ルールの適用
→「食事全体の9割は健康的な食事を心がけ、残りの1割は何を食べてもいい」という考え方 - 食生活が人間の健康の全てを左右するのではないことを認識する
- 1人で食事をするのではく、家族や友達と共に食事をすることを楽しむ
「健康を維持する」と聞くと、多くの人が食事管理の大切さを思い浮かべると思いますが、私たちの人生は食事だけが全てではありません。
もちろん健康的な食生活は非常に大事ですが、それ以外にも運動や睡眠、仕事や人間関係、熱中できる趣味など、人々の心身の健康に影響を与える要素はたくさんのものがあります。
「健康は目的ではなく、あくまで人生を楽しむための手段である」ということを胸に刻んでおきましょう。

拒食症(AN:Anorexia Nervosa)
拒食症とは文字通り「食べることを拒絶する」ことであり、行き過ぎた低体重を引き起こすと同時に、体重が増えることに対する恐怖や体重に対する歪んだ思考を持っているケースが多いです。
拒食症の人は体重をコントロールすることを人生において最も優先順位が高いことと捉え、理想的な体型を獲得および維持するためであれば危険な行為も厭いません。
体重増加を防ぐ、あるいは体重をさらに減らすために過度なカロリー制限を自分に課したり、食べ物を口に入れては吐き出す、運動のやり過ぎといった行為を繰り返したりします。
また、さらに症状がひどくなる場合は、
- 下剤
- 漢方薬
- 利尿剤
- 浣腸
といったようなあらゆる手段を使ってさらに痩せ続けようとします。
原因
拒食症になる根本的な原因は人によって個人差もあるので正確に言い当てることは難しいですが、一般的に以下の3つの要因のいずれか、あるいは組み合わせであると考えられます👇
- 生物的要因
→拒食症と関わりのある遺伝子の発現 - 心理的要因
→完璧主義やHSPといった傾向 - 社会的要因
→世間や社会が痩せていることをステータスとする風潮。特に10代の女性に多い。
治し方・対処法
拒食症に打ち勝つための方法として、以下のようなものが考えられます👇
- 体重や体型、食事管理が人生における幸せを決める全てではないと知る
- 拒食症について深く理解する
- 自分と他人を体重や体型で判断するのをやめる
- ソーシャルメディアや世間の意見に対して批判的な視点を持つ
- 自分なりの価値観やゴールを見出して、それに従って生きる

過食症(BN:Bulimia Nervosa)
過食症とは文字通り「食べ過ぎてしまう」ことであり、食欲のコントロールが効かなくなることにより必要以上に食べ物を摂取してしまう精神疾患の1つです。
拒食症とは反対の症状にも見えますが、体重に対する歪んだ思考を持ち合わせている点では共通しており、拒食症患者と同様に「嘔吐」「下剤および薬物の使用」「過度な運動」「断食または絶食」といった行為で食べた分の埋め合わせをするための行為をする傾向があります。(これらの行為を代償行為と呼びます)
そのため必ずしも太るのではなく、むしろ痩せているケースも多いです。
対してこういった代償行為を伴わない場合は「むちゃ食い障害(BED:Binge Eating Disorder)」に分類されます。
このケースは代償行為を行わないため体重がどんどん増えて太りやすくなる傾向にあります。
原因
過食症になる原因は「生物的・心理的・社会的」要因と、拒食症のケースと共通していると考えられます。
拒食症も過食症も「自分の体重や体型を必要以上に気にしてしまう」という点は共通していて、そのストレスの行先が「食べ物を拒む」、あるいは「食べ物を食べ過ぎてしまう」のいずれかの形となって現れるのでしょう。
治し方・対処法
基本的にはオルトレキシア、拒食症に対する対策と同様なものが有効と考えられますが、症状がひどい場合はどうしても周りの力を借りる必要が出てくるケースもあるでしょう。
その場合、以下のような治療法が挙げられます👇
- 心理療法
・個人療法
・家族療法
・集団療法 - 薬物治療
- 入院治療
摂食障害はその人の精神及び心理状態と密接に関わっているため、心理学的アプローチの治療法は非常に有効と考えられます。
その人のタイプや置かれた状況によって「個人」「家族」「集団」のどれが適切かを見極めることが大切です。
また、症状の具合によっては薬物治療、入院治療が必要となる場合もあるでしょう。
