ケトーシス(ケトン体が体内で生成されている状態)に入ったかどうかを知るには、血中ケトン体濃度を測定することで可能になります。
その方法には、血液検査や尿試験紙、呼気測定器など、いくつかの方法があります。
尿試験紙を使う場合は、以下のような ketostix と呼ばれる試験紙を使います👇

以下の記事でケトジェニックダイエットのやり方・効果・仕組みについてまとめましたので、興味のある方はぜひご覧ください♪👇
目次
いつケトーシスに入るのか?
実は夕食を食べて、一晩ベットに入って断食をしたら、すでに軽いケトーシス状態になっています。
肝臓のグリコーゲンの貯蔵量が枯渇すると、指数関数的にケトン体が生成されはじめます。
とはいえ、ケトン体を生成出来ているからといって、ケトン体を効率的に利用できるわけではありません。ケトン体に適応(ケトアダプテーション)していなければ、脳や筋肉はケトン体を利用することができません。
血中ケトン体濃度が0.5mmol/L以上になると、ケトーシスが始まります。
ある研究者によると、ケトーシスの最も最適な範囲は、0.5~3mmol/Lの間と言われています。
ケトアシドーシス(血液中のケトン体が非常に高い濃度に達し、血液が酸性に傾くことで、生命を脅かす危険な状態)は10mmol/L以上で発生しますが、糖尿病患者であったり、過度のアルコールを摂取するなどしない限り、通常は起こりません。
ところで、先に紹介した ketostix のような尿試験紙を使う必要性はあまりないと思います。
なぜなら、ケトジェニックダイエットを行う理由は、「ケトーシスに入ること」ではなく、
「ケトアダプテーションに入ることで、脂肪を効率良くエネルギーに変換し、脂肪燃焼やアンチエイジングなどの様々な健康効果を得ること」が目的だからです。
尿試験紙でケトン体を測定出来るということは、確かに体内でケトン体が生成され、ケトーシス状態になっている証拠です。
しかしながら、ケトン体が尿と共に排出されているということは、そのケトン体をまだ身体はエネルギーとして上手く利用出来ていない、ということも同時に示しています。
そのため、ケトジェニックダイエットを行う上で ketostix は必須のアイテムなのではなく、あくまでゴールに向かうまでのプロセスが正常に進んでいるか確認するための参考ツール程度に捉えておくと良いと思います。
尿試験紙を使わずにケトーシスに入っているか確認する方法
また、尿試験紙を使わずともケトーシスに入っているか確認する方法があります。
なぜなら、ケトーシスには、身体の適応の過程で起こるさまざまな症状があるからです。
1. 水分量減少による一時的な体重減少
糖質制限を始めて2~3日経った頃に体重計に乗ると、体重が急激に減っていることに気付きます。
自分の場合も、1~2kg一気に減りました。そしてこの体重の減少量は人によって個人差があります。
糖質を制限すると肝臓に蓄えられている100g程のグリコーゲンが次第に無くなっていきます。
そしてこのグリコーゲンの分子は脂質と違って液体と結合しやすい性質があるのです。
具体的な数値としては、グリコーゲン1gあたり、水分が3~4gほどあると言われています。
そのため、肝臓に貯蔵されていた100gのグリコーゲンを失うということは、水分と合わせて少なくとも0.5kg程の体重減少につながり、これに加えて骨格筋に蓄えられているグリコーゲン次第ではさらなる体重の減少が起こります。
これが、糖質制限直後の体重の一時的な急激な減少の仕組みであり、その体重減少は主にこれまで体内で保持していた水分量の減少によるものであって、脂肪が燃えている訳ではありません。
2. 喉が渇く
1つ目の理由でも書いた通り、体内の水分量が減少するために、必然的に喉が乾きやすくなります。
炭水化物を常食しているときも、水分を摂らなければいずれ脱水状態になりますが、体内に多くの水分が保持されているため、喉の乾きは比較的感じづらいです。
よって、ケトジェニックダイエットを行う際は、水を適切な量摂取して、水分量をしっかりと確保する必要があります。
3. ケトブレス
糖質制限を開始してからしばらく経つと、脂肪分解が始まり、その過程でアセトンと呼ばれるケトン体が生成されます。
そしてアセトンはケトン体の最終産物であるため、エネルギー源にはなりません。アセトンは揮発性が高いため、呼気中に排泄されます。
その結果自分自身の息が「フルーティ」「酸っぱい」もしくは「少し腐ったような」匂いがすると感じることがあるかもしれません(これにも個人差があり、こういった症状を全く感じない人もいます。)
ちなみにアセトンはネイルの除光液にも使われたりしているため、使ったことがある人は匂いが想像しやすいでしょう。
ただ、このケトブレスを感じたとしても、大抵の場合が一時的なものであり、ケトジェニックダイエットを継続していくうちに自然と治まっていくものです。
4. わずかな頭痛や倦怠感
「糖質制限 〜 ケトーシス 〜 ケトアダプテーション」という体の適応プロセスの中で、体内においてエネルギー危機に直面し、その結果様々な症状が起こる可能性があります。
これは、一般的に「ケトフル」と呼ばれるものです。
「ケトフル」が起こる理由としては、体はまだブドウ糖を使いたがっていますが、体内には利用できるブドウ糖がありません。
脂肪を燃料として燃焼させる方法を身体はまだ知らないため、糖質と脂質のどちらも上手くエネルギーとして活用できないため、身体が一時的に混乱してしまうのです。
「ケトフル」の症状として、頭痛、糖の渇望、無気力、筋肉疲労などが起こるかもしれません。
ただ、これらの副作用はすべて、体が脂肪をエネルギーとして利用するのに適用すれば治まるので心配する必要はありません。
ケトフルをやり過ごすには多少の忍耐力が必要となるため、ケトジェニックダイエットが様々な健康効果があるのにも関わらず、敬遠する人が多い原因でもあります。
5. 食欲の減退
炭水化物中心の食生活から、ケトジェニックダイエットなどの糖質を極端に制限する食生活に変えると、次第にこれまで感じていた食欲が薄れていくのを感じます。
一般的に糖質は適量食べたとしても満腹感を感じづらいのに対し、脂肪、タンパク質、食物繊維豊富な野菜などの食べ物は、豊富な栄養素を確保できる上に、満腹感を得やすいです。
この食欲の暴走が抑制されることが、ケトジェニックダイエットが体重減少や脂肪燃焼に有効である主な理由の1つでもあります。
ケトアダプテーションを獲得するとどうなるか
糖質制限を開始してから2~3週間ほどしたら、次第に脂肪分解を通してエネルギーを得る方法を体が覚え始める頃です。
この時点まで達すると、これまで感じていたケトフルの症状も一掃され、エネルギーに満ち溢れ、とても気分の良い状態になるはずです。
そして以下のような様々な健康効果を得られるようになります👇
- 空腹感の減少
- 精神的な明瞭さ
- 常に高いレベルのエネルギー
- 持久力の向上
- 炎症の軽減
- 膨満感の軽減
- 砂糖などの糖質に対する欲求の減退
- 睡眠の改善
- 安定した血糖値
- 筋肉の異化反応の抑制
- 日々の活動、および運動中における疲労の減少
もちろん、ケトジェニックダイエットの実践が万人に当てはまる最適な健康の形だとは思いませんが、それでもこの食事法が多くの人の健康を増進する非常に有効な手段だと思います。
以下の記事でケトジェニックダイエットのやり方・効果・仕組みについてまとめているので、興味のある方はぜひご覧ください♪👇
最近のコメント