タンパク質の一日の最適な摂取量はどれくらいなのか?

食事

 

こんにちは!

健康オタクのセンです。

 

この記事では健康の維持、そして筋肉の発達を最大化させるためのタンパク質の1日あたりの最適な摂取量について解説していきます。

 

本記事のトピックは以下の通りです👇

 

  • 健康を維持するためのタンパク質の摂取量
  • 筋肥大を最大化させるためのタンパク質の摂取量
  • 減量時におけるタンパク質の摂取量
  • 性別の違いによる必要なタンパク質量の差

 

順番に見ていきましょう。

 

健康を維持するためのタンパク質の摂取量

白いボトルを保持している黒いランジェリーの女性

全米医学アカデミー(National Academy of Medicine)では、平均的な成人におけるタンパク質の食事摂取基準(RDA:Recommended Dietary Allowance)を設けており、その値は体重1kgあたり0.8gとされています。

仮に体重が60kgとした場合、タンパク質の摂取量は48gとなります。

 

ただしこれは推奨値というよりかは、健康維持や病気をしないための最低限の値であり、実際にはもっと多く摂った方が良いと考えられます。(研究

そのためいつまでも怪我や病気をせずに、健康的に元気よく過ごしたいという場合は、最低でも1.0~1.2g/kgを目安にタンパク質を摂るといいと思います。

 

筋肥大を最大化させるタンパク質の摂取量

黒と銀のバーベルに座っている黒のショート パンツでトップレスの男

カナダのマックマスター大学の研究者を中心としたメタアナリシスによると、筋肉の成長は1日あたり1.6g/kg(体重1kgあたり)で最大化するという結論が出ています。

よって仮に体重を60kgとした場合、1日あたりのタンパク質の摂取量は96gということになります。

 

Morton2017_01_01

 

また、2022年に日本人の研究者らによって行われたメタアナリシスを見てみると、1日あたり1.5g/kgのタンパク質の摂取で筋肉の発達は上限となり、それ以上の摂取は筋肉のさらなる発達に寄与しないことが分かっています。

 

 

つまり、筋肉の発達を最大化させたい場合、1日あたり1.6g/kgのタンパク質を確保しておけば問題ないと考えられます。

ただし、何事にも例外であったり個人差というものは存在します。そのため、そういったことが心配な場合は1.8g/kgを目安に摂取するとさらに安心と言えるでしょう。

 

減量時のタンパク質摂取量

空中で白と黒の飛行機

筋トレ界隈ではよく減量時(摂取エネルギー<消費エネルギー)はタンパク質の摂取量を通常時よりも増やした方が筋肉量を落とさずに済むと言われることがあります。

ただし、この説はこれまでの研究を見てみると正しくないと考えられます。

 

その理由としては、まずこの研究を見てみると、減量時は筋タンパク質合成(MPS:Musple Protein Synthesis)の割合が減るのに対し、筋タンパク質分解(MPB:Muscle Protein Breakdown)の割合はさほど変わらないことが判明しています。

つまり、減量時の筋肉が減る理屈としては、筋タンパク質の分解が促進されることによって起こるものではなく、新しく筋肉を作るための筋タンパク質合成の割合が減少するから、というメカニズムだということです。

よって論理的に考えてみると、増量時に比べ筋タンパク質合成に使われるタンパク質量は少なくなるため、必然的に減量時に必要なタンパク質の摂取量は減少するはずであると言えます。

 

また、2014年に減量時におけるタンパク質の摂取量に関する研究が行われました。

この研究では20~43歳の男性トレーナーを対象に、全体の摂取カロリーは同量に揃え(カロリー摂取量はメンテナンスカロリーより40%減)、

一方のグループは1日あたり2.8g/kgの高タンパク質食、もう一方のグループには1.6g/kgの適度なタンパク質量の摂取を施しました。

 

2週間後の結果はというと、両グループにおいて、脂肪量、筋肉量、筋力における統計的な差はほとんどありませんでした。

ただし、高タンパク質グループの方が、ストレスや疲労が少なく、食事における満足度が高かったことが報告されています。

よってストレスや疲労の軽減、食事の満足度の向上といったメリットを受けたい場合は減量時に通常よりも多くのタンパク質を摂取する価値はあるかもしれませんが、

筋肉量を維持したい、あるいは脂肪減少を促進したい、といった理由で1.6g/kg以上の高タンパク質食を摂るメリットはないと言えます。

 

男女の違いによる必要なタンパク質量の差

最後に性別の違いによって必要なタンパク質量は違うのかについて見ていきます。

 

基本的に女性は男性に比べ脂質をエネルギーとして使う性質があるため、必要なタンパク質量は男性よりも少ないです。

その根拠としては、以下のようなものが挙げられます👇

 

  • 女性は男性に比べ運動中におけるタンパク質の酸化量が少ない(研究
  • 女性は断食時、あるいは食後共にタンパク質の酸化量が男性よりも少ない(研究
  • 女性は男性に比べ生命維持のために必要な脂肪量が多いため、同じ体重の男性と比べた際の除脂肪体重は男性よりも少ない

 

また、健康な男女を対象とした必要なタンパク質量を調べたメタアナリシスによると、女性が必要なタンパク質量は男性よりもちょうど10%少ないということが分かっています。

 

ただし、上記に挙げたような根拠はあるものの、トレーニング時における男女の必要なタンパク質量の違いを調べた研究は少なく、まだまだ科学的根拠は薄いため、

女性であっても筋肥大効果を最大化させたい場合は、男性と同じように、つまり1日あたり最低でも1.6g/kg以上のタンパク質を摂取することを個人的にはオススメします。

 

まとめ

それではこの記事のまとめです。

 

  • 健康維持のためには1日あたり最低でも1.0~1.2g/kgを目安に摂取する
  • 筋肥大を最大化させるためには1日あたり最低でも1.6g/kg以上のタンパク質、心配であれば1.8g/kgを目安に摂取する
  • 減量時は特段タンパク質の摂取量を増やす必要はない
  • 女性の場合も男性と同じように、最低でも1.6g/kg以上のタンパク質を摂取するのが無難

 

それではまた別の記事でお会いしましょう!