結局何をどれくらい食べればいいの?

IIN

 

こんにちは。

最近健康本を読みすぎて知識メタボになってる銭君達です( ̄▽ ̄)

インプットだけでなくアウトプットもして、少しでも皆さんに役立つ情報をお届けできるよう頑張っていきます!

 

この記事は「結局健康であるためには何食べればええねん?」と疑問に思っている方のために書きました。

それでは見ていきましょう!

 

食生活を最適化する

人々の食事に対する捉え方、いわゆる食事観は人によって様々です。

 

  • 常に健康的でいたいから、食事には気を遣ってるよ
  • 食事?そんなもん食いたいときに食いたいものを好きなだけ食えばいいんだよ!
  • 今は仕事に夢中で忙しいからとりあえずお腹が満たされればそれでいいかなー

 

はい、どれも素晴らしい食事観ですね。

 

世の中には大量のダイエット本や食事理論本が出回ってますが、自分の食事観が満たされているのであればそんなもの読む必要はありません。かえって時間の無駄になるので自分の人生を最大限楽しむことに集中しましょう。

 

ただその「食事観が定まっていない人」、あるいは「知識や情報を知らないために間違った食事観を持っている人」が多いのも事実です。

この記事では最適な食生活を、「不調や病気を抱える可能性を最小限に抑え、心身共に健康的であるための食事」と定義し、その食生活について以下の3つのパートに分けて解説していきます👇

 

  1. 炭水化物
  2. 脂質とタンパク質
  3. 野菜と果物

 

是非ご自身の食事観の確立に役立ててみてください♪

 

person eating food

 

炭水化物

まず前提として炭水化物とは何なのか確認しておきましょう👇

 

炭水化物は「糖質」と「食物繊維」の2つに分類できます。

ブドウ糖などの糖質は栄養素として体内に吸収されますが、食物繊維はヒトの消化酵素で分解されないため体内で消化吸収されません。

 

この辺の詳しい栄養素の違いや効果について知りたい方はこちらをご覧ください👇

健康を維持するためには必須の知識!食品成分の7大栄養素とは

 

 

そしてそこから糖質は「単糖類」「少糖類」「多糖類」、食物繊維は「不溶性食物繊維」「水溶性食物繊維」に分類されます。

炭水化物の概要が分かったところで、「じゃあどんな炭水化物を食べれば良いか」見ていきましょう。

 

全粒 vs 精白

人類は炭水化物が大好きです。日本人も例に漏れず炭水化物は大好きですよね。

戦後である1946年頃は、日本人の食事は三大栄養素のうち炭水化物が80%も占めています。そして今現在は50~60%程と思われ、依然として三大栄養素の中で最も多い割合を占めています。

そんなみんな大好き炭水化物ですが、私たちの主食(糖質)は大きく分けて全粒のもの(未精製のもの)と精白のもの(精製されたもの)に分けることができます。

 

では全粒精白、健康の観点で見るとどちらに軍配が上がるかと言うと、やはり全粒のものです。

 

精白米や精白パン、精白度の高いラーメンなど、精製された糖質の場合、

 

  • 血糖値の急上昇によるインスリン分泌量の増加
  • インスリン非依存型糖尿病
  • 冠状動脈性心臓病

 

などのリスクが高まることが分かっています。

 

よって、なるべく健康体でいたいのであれば、より精製度が低い糖質を食べるようにしましょう。

ただし、全粒穀物の代表的存在である玄米は不溶性食物繊維が豊富に含まれるのに対し、もち麦などの大麦は不溶性と水溶性のバランスが良い、といったふうに種類によっても効果や性質が違うため自分の体質に合うように食べる量・種類・割合を調節しましょう。

 

せん
ちなみに俺は便秘体質だからもち麦を白米に混ぜて食べてるよ!

 

ただ精白されたものを完全に悪者扱いするつもりはなく、「消化吸収されやすくエネルギーになりやすい」という意味では「成長期の子供」や「体力仕事の大人」などといった場合は、不健康にならない範囲でガツガツ食べれば良いんじゃないかと個人的には思ってます。

何より美味しいですしね(笑)

 

清涼飲料水

主食の糖質に気を遣ってほしいのはもちろんですが、個人的に人々を最も不健康に導いていると感じるものが清涼飲料水です。

清涼飲料水を飲み続けると、以下のような病気を抱えやすくなります👇

 

  • 肥満
  • 糖尿病
  • 冠状動脈性心臓病
  • 痛風
  • 虫歯や歯周病

 

もちろんこれらの症状や病気はほんの一部に過ぎず、他にも様々な不調や病気を併発する可能性があります。

 

また、清涼飲料水は数年単位の長期的なスパンで見て健康に悪いのはもちろんそうなのですが、清涼飲料水の缶やペットボトルを1本飲んだだけでも、その日の我々の体に与える悪影響はかなりでかいです。

一般的な清涼飲料水やソフトドリンクを1本飲んだ場合、

 

  1. ティースプーン10杯分の糖分により、血糖値の急上昇およびインスリンの大量放出が起こる
  2. インスリンの働きにより、ブドウ糖や脂肪酸の多くが脂肪として蓄積される
  3. 血圧の上昇とともに眠気が吹き飛び、脳の快楽中枢が過度に刺激される
  4. カフェインの働きにより、カルシウムやマグネシウムといった栄養素が尿とともに排出される
  5. インスリンが血糖値を下げた結果、低血糖状態となりイライラや倦怠感を感じやすくなる

 

といったようなことが飲み終わってからものの1,2時間で行われます。

 

現在頻繁に清涼飲料水を飲んでいてなかなかやめられない、という方は何とかして3日〜1週間くらい完全に我慢してみてください。

最初の数日はめちゃめちゃ辛いかもしれませんが、その期間を乗り越えれば中毒的に飲みたくなる欲求は自然と和らぐはずです。

 

seven assorted-brand soda cans

脂質&タンパク質

脂質

次は脂質について見ていきましょう。いわゆる「あぶら」ですね。

脂質の主な構成成分である脂肪酸は以下のように、飽和脂肪酸不飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸の中でも二重結合を1つもつ一価不飽和脂肪酸、2つ以上もつ多価不飽和脂肪酸に分かれます。

 

 

また不飽和脂肪酸は炭素間の二重結合のまわりの構造の違いによりシス型トランス型に分類できます。

身体に悪いとよく聞くトランス脂肪酸はこの不飽和脂肪酸のトランス型のことですね。

 

それではどんな脂質を摂るのが健康に良いのでしょうか?

以下の表は1980年に34〜59歳の女性約8万人に協力してもらい、14年後の結果を調査したものです👇(論文はこちら

 

 

その結果、以下のようなデータを得ることができました👇

 

  • トランス脂肪酸エネルギーが2%増加するごとに心臓病の罹患率が93%増加
  • 飽和脂肪酸エネルギーが5%増加するごとに心臓病の罹患率が17%増加
  • 一価不飽和脂肪酸エネルギーが5%増加するごとに心臓病の罹患率が19%減少
  • 多価不飽和脂肪酸エネルギーが5%増加するごとに心臓病の罹患率が38%減少

 

つまりトランス脂肪酸飽和脂肪酸は摂ればとるほど心臓病のリスクは高まり、不飽和脂肪酸の場合は摂ればとるほどリスクは低下したのです。(特にトランス脂肪酸はマジやばい(°_°))

そして飽和脂肪酸牛や豚、鶏などの動物性脂肪に多く含まれ、不飽和脂肪酸植物性脂肪の食品や魚に多く含まれています。

 

ただし、飽和脂肪酸が豊富なお肉やチーズ、ヨーグルトも人間にとって有益な栄養素や微生物を豊富に含んでいるのも事実です。

また、上記の結果は冠状動脈性心臓病のみについて調査したものです。

 

そのため、これらの飽和脂肪酸を多く含む食品を完全に断つのではなく、食品の質に気をつけながら食べ過ぎない程度に楽しむのがいいんじゃない?というのが私の結論です。(砂糖たっぷりのヨーグルトなどの加工度の高い食品はなるべく避けましょう!)

ただ、トランス脂肪酸の摂取は可能な限り避けた方がいいでしょう。

 

せん
トランス脂肪酸、ダメ。ゼッタイ。

 

タンパク質

今度はタンパク質について見ていきましょう。

タンパク質も脂質と同様動物性のもの植物性のものがあります。

 

タンパク質についても、30〜55歳の女性約8万人に協力してもらい26年後の結果を調査するという、先ほど紹介した脂質に関する研究と似たような研究を紹介します👇

タンパク質を含む食材を摂取したときの、心臓病にかかるリスクの変化を調べたものです。

 

An external file that holds a picture, illustration, etc. Object name is nihms-229256-f0001.jpg

Major Dietary Protein Sources and the Risk of Coronary Heart Disease in Women

 

表の左側を見ると、それぞれ「〇〇 for △△」と書いてありますが、これは「△△の食材から〇〇の食材に置き換えた」という意味です。

そして、値が左側(数値が1以下)の場合は心疾患リスクが低下、逆に値が右側(数値が1以上)の場合は心疾患リスクが上昇した、ということを示しています。

 

そして特に↑上記表において一番下4つの項目を見ると、「red meat:赤身肉」から「poultry:鶏肉」「fish:魚」「nuts:ナッツ類」「beans:豆類」に置き換えたところ、心疾患リスクが優位に下がっていることが分かりますね。

ちなみに2型糖尿病の場合も赤身肉を別の食材に置き換えた方が疾患リスクが下がることが分かっています。(論文はこちら

つまり、食生活によって病気になるリスクを減らしたいのであれば、赤身肉を極力控え、動物性タンパク質の場合は鶏肉か魚、植物性タンパク質の場合はナッツ類や豆類を摂取するといいでしょう。

 

野菜&果物

最後は野菜果物についてです。

やはり野菜と果物は私たちの体を陰ながらサポートしてくれるビタミンミネラル、またポリフェノールなどの抗酸化成分が豊富なので毎日欠かさず摂取すべきでしょう。

 

そんな健康的なイメージが強い野菜と果物ですが、臨床研究などによって判明した健康効果にはどのようなものがあるのでしょうか?

以下の表は2004年に発表された、野菜と果物の摂取と疾患リスクとの関係を調べるために実施されたコホート研究によるものです👇

 

Fruit and Vegetable Intake and Risk of Major Chronic Disease

 

↑上記表では上から順番に、

 

  1. 主要な慢性病(高血圧や糖尿病など)
  2. ガン
  3. 循環器疾患(心不全や脳梗塞、動脈瘤など)

 

のリスクに関する結果が示されています。

 

この研究によると、野菜と果物の摂取は、

 

  1. 主要な慢性病(高血圧や糖尿病など):リスク低下に十分繋がる
  2. ガン:疾患リスクにおける大きな相関は見られない
  3. 循環器疾患(心不全や脳梗塞、動脈瘤など):リスク低下に大いに貢献する

 

という結果になりました。

 

②のがん疾患リスクとの相関が弱いというのはちょっと驚きですが、観察研究なのでこの研究だけで「野菜と果物を食べてもがん防止に繋がらない」と決めつけることはできません。

それにこの研究以外にも、野菜と果物中心の食事、いわゆるプラントベースの食事ががんの発症率を下げると主張する研究やレビューはたくさんあります。

いずれにせよ、野菜と果物を意識して豊富に摂取することで損することはほとんどないと思うので、特に肉食中心の方は日常の食卓に野菜と果物を少しでも取り入れることをオススメします♪

 

健康的な食事プレート

ここまで、「炭水化物」「脂質とタンパク質」「野菜と果物」の特徴や健康効果について見てきました。

これまでの話を総合して、「じゃあ結局何をどれくらい食べればいいの?」という疑問に対して視覚的にわかりやすい答えとなるのが以下の図になります👇

 

Harvard T.H. Chan School of Public Health

 

上記の図は「Healthy Eating Plate:健康的な食事プレート」と題して、ハーバード公衆衛生学部が推奨している食生活を表したものです。

面倒なカロリー計算も必要ないので、「とりあえず健康的な食生活を送りたい」という方は上記の食事プレートを参考にしながら(加工食品ではなく自然食品)、毎食腹八分を心がければかなり健康的な食事を摂っていると言えるでしょう。

 

この記事が少しでもお役に立てば幸いです^ ^

それでは今日はこのへんで!