【睡眠の質を上げる方法10選】科学的根拠をもとに解説してみた

睡眠

 

こんにちは!

健康オタクのセンです。

(ところで☝️の赤ちゃん可愛すぎませんか?笑)

 

この記事では「睡眠の質を上げる方法10選」と題し、睡眠の質を高める方法を計10個、科学的根拠をもとに紹介していきたいと思います。

 

それでは早速見ていきましょう!

 

睡眠不足の影響

白いカーテンとガラス パネルの窓の前で黒い椅子に座っている女性

具体的な睡眠の改善方法を紹介する前に、「睡眠を蔑ろにすることがどれだけ損なのか」再認識していきたいと思います。

 

特に日本人は世界の国と比較してみても睡眠時間が短い国のため、「つい睡眠をおろそかにしてしまう」という人が多いと感じます。

そのため睡眠不足が私たちの体に与える影響をしっかりと認識し、睡眠の質を高めることのモチベーションUPに繋げてもらえると嬉しいです♪

 

睡眠不足の悪影響7選

ここでは睡眠不足による悪影響で代表的なものを7つ見ていきます。

 

1. 筋肉が付きにくく、脂肪が増えやすくなる

睡眠って頭の回転とか集中力とかには影響が出そうだけど、体型の変化に関係あるの?」って思いがちですよね。

ただそれが大アリなんです。

 

せっかく食事管理をしっかりして、筋トレやランニングなどの運動を継続していたとしても、睡眠がおざなりになっているとせっかくの努力が水の泡になりかねません。

例えばこちらの研究では、睡眠不足は筋タンパク質合成の割合に直に影響を与えることが分かっています。

 

また、こちらのランダム化クロスオーバー試験では、睡眠時間が5時間のグループと7時間半のグループを比較し、

5時間のグループは7時間半のグループに比べて体脂肪の減少割合が55%少なかった上、除脂肪体重の減少割合が60%も多かったと報告しています。

つまり、睡眠不足になると体脂肪が付きやすくなる上に、筋肉も減りやすくなるということです。

 

2. 食欲の増加

睡眠不足になることで食欲が増加しやすくなることが研究により分かっています。

また、8時間睡眠に比べ、睡眠時間が6時間を切ると、日々のカロリーの摂取量が20%も増えたと報告する研究もあります。

 

3. ホルモン分泌の乱れ

ある研究によると、睡眠時間が5時間になるとテストステロンの分泌が最大13%減少し、徹夜をした場合テストステロンの分泌が24%損なわれることが判明しています。

 

4. インスリン抵抗性の増加・炎症レベルの上昇

睡眠不足は急性的にも慢性的にもインスリン抵抗性の増加につながります。その結果、睡眠不足は全身の炎症レベルを上昇させます。

 

5. 幸福感・ウェルビーイングの低下

ウェルビーイング(Well-being)は、日本語で「幸福感」とも訳されますが、「人生の満足度」「幸せ、悲しみ、怒り、ストレス、痛みなどの感情」「人生の目的・意義」の3つの側面があります。

このウェルビーイングは、私たちの周りで展開される活動によって刻々と影響を受け、やがて私たちの健康に大きな影響を与えるようになります。

そして睡眠不足および睡眠の質の低下は、健康とウェルビーイングに多大な負の影響を与えます。

 

6. 認知機能の低下

自制心の低下や認知機能の低下など、脳の働きが関係する事柄のほとんどすべてにおいて、寝不足により悪化します。

 

7. 運動パフォーマンスの低下

純粋な筋力パフォーマンスは睡眠不足自体からはあまり急性的な影響を受けないことが分かっていますが、睡眠不足による運動パフォーマンス低下の原因は筋肉の収縮機能の障害ではなく、睡眠不足後の回復不足と意志力・意欲の低下によるものと考えられています。

 

睡眠の質を上げる方法10選

昼間に葉の下に横たわる女性

概日リズム(サーカディアンリズム)とは、生物活動の1日の(~24時間)周期のことを指します。概日リズムの中でも最も代表的な生理現象と言えば、「睡眠と覚醒のサイクル」です。

よってこの概日リズムの乱れを可能な限り正し、規則的な概日リズムに沿った生活を送ることが睡眠の質の向上に直結します。

 

この概日リズムとは体内時計とも呼ばれます。そしてこの体内時計があらゆるシステムを作動させるタイミングを調節しているようなイメージです。

また、この体内時計は各細胞レベルで備わっており、その中でも中枢の役割を果たす体内時計が脳の視床下部にある視交叉上核(Suprachiasmatic Nucleus:以下SCNと呼ばれる領域です。

 

実際、このSCNと呼ばれる部分は、ペースメーカーに非常によく似た働きをすることが分かっています。

SCNは、ホルモン生成や中枢神経系の活動など、体内のほぼすべての主要なシステムと相互作用しており、以下の画像のように1日(24時間)のバイオリズムがもたらす生理的イベントを司っています👇

 

 

簡単に言ってしまえば、「1日のうちで体がある特定の事柄において最適に活動する時間帯は異なる」ということです。この日々のバイオリズムが乱れ、不規則になってしまうと、体は最適に機能しなくなってしまいます。

その結果、

 

  • 代謝の低下
  • コルチゾールの分泌の増加
  • 同化ホルモンの分泌の減少
  • インスリン感受性の低下
  • 運動後の回復力の低下
  • コレステロール値の悪化
  • 空腹感の増加
  • 精神パフォーマンスの低下
  • 睡眠の質の低下

 

に繋がるという訳です。

 

逆に言えば、概日リズムを安定させ、日々の体内時計と生活リズムをシンクロさせることで、あらゆることがうまくいくといっても過言ではありません。

そして、ここからはこの概日リズムを安定させ、睡眠の質を最適化するための10個の方法を順番に見ていきます。

 

実践した時の効果が高く、優先順位の高い順から紹介していきますので、実際に睡眠改善に取り組む際は上から順番に実践していくと良いと思います♪

 

1. 規則的なバイオリズムを維持する

睡眠を改善するためにまず真っ先に意識すべきなのは、「規則的なバイオリズムを維持する」ということです。

先ほども述べた通り、人間を含め、動物や植物、各細胞に至るまで、すべての生命体には特有のリズムが存在します。

そして、「そのリズムに沿って行動する」「そのリズムを常に崩さず生活する」ことで私たちの体内で起こる生理活動は最適化されていきます。

つまり結局何が言いたいのかというと、「日々可能な限り同じタイミングで、同じことをしよう」ということです。

 

ライフスタイルが一定であれば、概日リズムは勝手に同調してくれます。

そして先ほど出てきた体の中枢時計の役割を持つSCN(視交叉上核)ですが、このSCNは同調因子の影響を受け、体内時計を調整していきます。

そしてその同調因子の主要なものは以下の3つです👇

 

  1. 身体活動
  2. 食事

 

この中でも「」は同調因子としての影響の中でも特に強いです。

身体活動」「食事」も体内時計のリズム生成に影響を与えるため、食事の時間や運動・トレーニングする時間をなるべく一定(同じ時間帯)にすることが大切です。

 

研究においても、生活習慣が一定である人は、不規則な生活をしている人に比べて、睡眠の質が圧倒的に高いことが分かっています。

また、毎日一定の時間に寝ている人は、睡眠スケジュール(睡眠時間、起床・就寝時間)にばらつきがある人に比べて、一般的に痩せやすい体質を維持しやすいことが判明しています。

 

具体的には、食事や運動をするタイミングの時間帯の幅としては、2時間以内に収めることが望ましいです。

例えば、普段13時頃に運動や食事をしているのであれば、12時~14時の間のタイミングのズレであれば問題ありません。

 

また、睡眠に関しては、概日リズムの乱れに対してさらに敏感です。就寝時刻は22時~23時など、ずれるにしても1時間以内で収めるようにしましょう。

 

2. 日中に陽の光を浴びる

先ほども述べた通り、体内時計のリズムを決める上で最も重要な役割を担っているのは、「」です。

 

一日の始まりに明るい青色スペクトルの光を浴びると、睡眠の質、生産性、主観的な幸福感が向上します。

よく冬季うつ病(正式には「季節性情動障害」)と呼ばれる症状が発生する原因は、冬に日照時間が減少することにより、明るい光を浴びることが困難になるからです。

 

もし、日常的に直射日光を浴びることが難しいのであれば、光療法を応用した光目覚まし時計・ランプに投資することを検討してみても良いかもしれません。


 

太陽光と同様な明るさを確保するためには、少なくとも2,500ルクスの輝度のものを購入しましょう。

10,000ルクス以上が理想的であり、20~30分も浴びれば十分な効果が得られます。ただ2,500ルクスでも2時間ほど浴びれば同様の効果が得られます。

 

昼間の緑と茶色の木

 

3. 就寝前の光への暴露を避ける

日中に光を浴びることで体内時計のリズムが整い、私たちの健康に大いに貢献してくれると話しました。

 

ただし私たちの味方であったはずの光への曝露も、時間帯が違えば牙を剥き始めます。

というのも光を浴びることは、「体に活動する時間だ」という信号を送る働きがあります。

そのため夜に光を浴びてしまうと、メラトニン(体が眠りに落ちるのを助けるホルモン)の生成を妨げ、本来であれば体を休める準備に入る段階であったにも関わらず、体が活動モードを維持し続けてしまうのです。

そしてそれが明るい光であるほど、私たちの睡眠の質を著しく低下させます。

 

よって、夜寝るときは遮光カーテンやブラインドを活用するなどして、光源を可能な限り排除する工夫をするといいでしょう。

携帯やテレビ、リモコンなどのちょっとした光源も意識して取り除くことでより睡眠の質が向上します。

もう目の前の枕さえどこにあるのか分からない」というくらいの暗さを作り出すのが理想的ですね。

 

また、夜寝る前の電子機器の使用も睡眠の質を低下させます。

ただ現代においてパソコンやスマホの使用を完全にシャットアウトするのも中々難しいですよね。

そんなときはデバイスが発する光のスペクトルを調節することで、光の暴露による悪影響を和らげることが可能です。

具体的には、f.luxのインストール、AppleユーザーであればNight Shift、Androidユーザーであれば夜間モードを活用しましょう。

 

4. 晩御飯の質を見直す

食事・運動・睡眠の3要素はそれぞれが独立しているのではなく、お互いに影響を及ぼしあっています。

 

よって普段の食事の質を見直すことで睡眠の改善を期待できます。

まず第一に「タンパク質と睡眠の関係性」についてです。

こちらの研究では睡眠の質が高い人ほどタンパク質の摂取量が多く、タンパク質の摂取が少ない人より睡眠時間が約12%長かったことが判明しています。

そして総摂取カロリーの25~30%を目安にタンパク質を摂ると睡眠が改善されやすいと報告しています。

というのも睡眠を促進するホルモンであるメラトニンの前駆体はセロトニンであり、そしてこのセロトニンは食物から摂取するトリプトファンと呼ばれるアミノ酸から作られるため、

トリプトファンを豊富に含むタンパク質を摂取することで睡眠の質が改善されると考えられます。

 

また、食物繊維の摂取も睡眠の質を向上させることがわかっています。

こちらの研究では食物繊維を大量に摂取したグループほど睡眠の質が向上し、翌日の疲労感も大いに減少していたそうです。

 

5. 就寝数時間前の水分摂取を制限する

これはもう科学的根拠がなくても当然のことのように感じられると思うんですが、夜間頻尿は睡眠の質を下げることが分かっています。

 

そのため夜寝る前はなるべく飲む水の量を減らし、飲む分量は朝や昼の時間帯に増やすことを意識しましょう。

また、これは飲み水だけでなく食事にも同じことが言えます。

就寝直前に大量のスープを飲んだり、ヨーグルトやフルーツなどの水分を豊富に含んだ食べ物を摂りすぎてしまうと、同じく夜中にトイレをしに起きる羽目になってしまいます。

 

そのほかの対策としては、ナトリウムを十分量摂取することを意識することです。

ナトリウムには体内で水分を保持する働きがあるため、体内から水分が過剰に排出されるのを防いでくれます。

 

クリアショットグラス5個

 

6. メラトニンサプリを活用する

もしこれまで挙げた5つのポイントを実践し、さらにストレスが原因でもないのに「中々寝付けない」「眠りが浅い」という場合はメラトニンサプリを活用してみましょう。

 

先ほども述べた通りメラトニンは、睡眠を促す上で非常に重要なホルモンです。メラトニンが体内で大量に存在することで、体に直接寝る時間であることを伝えてくれます。(光と真逆の働きですね)

実際に研究でもメラトニンを補給すると睡眠の質が向上し、眠りにつきやすくなる上に、重大な副作用や中毒性は特にないことが分かっています。

 

メラトニンサプリの効果が最大化する量は通常3mgで、就寝の30~60分前に服用するのが目安です。

それでもまだ眠れない人、元々メラトニンの分泌量が少ない人、シフト勤務や時差ぼけ対策といった場合は5mgまで増やしてみてもいいでしょう。

 

ただし、あくまでメラトニンサプリは睡眠を助けるためのサポートであるという認識を持つことが大切です。

いくらサプリでメラトニンを補っていても、寝る前に明るい光を浴びるとやはり概日リズムは乱れるため、生活習慣や睡眠環境を整えることが先決です。

 

7. 寝室の温度を涼しく・快適に保つ

就寝時は暑くても寒くても睡眠を妨げる原因になります。そのため就寝部屋はなるべく快適な温度に設定することが重要です。

 

就寝時に最適な温度は19℃前後だと報告する研究があります。

ただ、もちろん毎日毎日厳密に部屋の温度を19℃にする必要はないのであくまで目安の温度として捉えてください。

感覚的には「これくらいがちょうどいいかな」という温度よりも少し低めに設定すると、結果的に睡眠時の最適な温度になると思います。

 

8. 就寝前に体を温める

体温調節と睡眠は密接に関わっています。

そして、温かいシャワーやお風呂に入ることでリラックスでき、睡眠の質も劇的に改善されることが分かっています。

 

白いセラミック シンクの近くの白いセラミック シンク

 

9. 瞑想する

睡眠を妨げる要因として、光や気温、バイオリズムの乱れなどを紹介してきましたが、そのほかの大きな要因の1つとしてストレスや頭の中の雑念が挙げられます。

寝るときに「ついつい色々考えすぎてしまって眠れない」という人は、リラクゼーションセラピーを用いることで睡眠の質を高めることができます。

 

そしてリラクゼーション療法の最も確立された形態の1つは、マインドフルネス瞑想です。

 

〜瞑想についてより詳しく知りたい方はこちら👇〜

【集中瞑想&洞察瞑想】2つのマインドフルネス瞑想と4つの心理的過程を徹底解説

 

マインドフルネス瞑想の中では、呼吸に意識を集中させるのが最も一般的な瞑想法だと思います。

単に意識を集中させるだけ」と聞くと簡単そうに思えますが、実際はけっこう難しく、長時間集中を維持できるようになるには継続的な練習が必要です。

 

10. カフェインの消費を制限する

カフェインは眠気を誘う働きのあるアデノシンという物質の働きを阻害することで、体の睡眠および覚醒の調節に直接影響を及ぼします。

 

カフェインが睡眠に悪いというのは常識ですが、この悪影響の大きさは一般的にはあまり認識されていません。

こちらの研究によると、寝る16時間前にダブルのエスプレッソを1杯飲んだだけでも、徐波睡眠(深い眠り)の時間が短くなり、睡眠の質が損なわれることが分かっています。

 

しかしどうしてもカフェインを完全に断つのが難しいという場合は、以下の2つの方法を実践することで、カフェインの睡眠への悪影響をいくらか和らげることが出来るかもしれません👇

 

  1. 空腹時にカフェインを摂取する。
    1. 空腹時に摂取することで吸収のスピードが上がり、睡眠を妨げる働きが最大化するタイミングを早めることができます。
  2. 就寝間際にカフェインを摂取しない。
    1. カフェインの代謝速度や睡眠への影響には個人差があるため、寝る何時間前までならカフェインを摂取してもよいか、試してみるのもいいと思います。
    2. 一般的なガイドラインとしては、寝る前の6時間はカフェインを摂らない方が良いとされています。カフェインに敏感な人や寝つきが悪い人は、寝る前の10時間〜は出来るだけ避けたいところです。

 

白いセラミック ティーカップのカプチーノ

まとめ

それでは最後にこの記事の要点をまとめておきます。

 

  • 睡眠不足は健康のあらゆる指標に悪影響を及ぼす
  • 規則的な生活(毎日同じ時間に起きて、同じ時間に食べて、同じ時間に運動して、同じ時間に寝る)が睡眠の質の向上のカギ
  • 日中は光を浴びて、夜中は可能な限り避ける
  • タンパク質・食物繊維を積極的に摂取し、就寝前の水分摂取は控えめにする
  • メラトニンサプリ、部屋を涼しく保つ、寝る前にお風呂、瞑想、カフェイン制限を通してさらに睡眠を最適化する

 

それではまた別の記事でお会いしましょう!