お腹が張るのは消化能力の低下が原因?

食事

 

こんにちは!

健康オタクのセンです!

 

今回の記事は

 

  • 腹部膨満感(お腹の張り)
  • ガス
  • 胃もたれ
  • 下痢や便秘

 

など、消化器系の不調にお悩みの方向けの記事になります。

 

この記事で伝えたいポイントとしては、お腹のトラブルの原因を考えるとき、

ついつい腸だけにフォーカスしてしまいがちですが、人間の消化器官は口から肛門まで繋がっているので、

腸だけでなく消化器官全体を見る必要があるということです。

 

三大栄養素の消化吸収

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消化器系の不調を抱えている場合、その不調の主要な原因の一つとして考えられるのが、

栄養の消化吸収プロセスが正常に行われていないということです。

そのためここからは私たちの体のエネルギーとなる三大栄養素である炭水化物、タンパク質、脂質のそれぞれにおいて、どのように消化吸収されるのかを理解し、不調の解消への糸口を探っていきましょう。

 

イメージしやすいように、人間の消化器官のイラストを載せておきます👇

食べ物を食べると、食道十二指腸小腸大腸肛門  の順で食べ物が一本の管を通るように消化器官を進んでいきます。

 

炭水化物の消化吸収

まずは「炭水化物の消化吸収プロセス」です

そのプロセスを簡単にまとめると、以下のようになります👇

 

  1. でんぷん(炭水化物)が口の中に入ると、唾液に含まれるアミラーゼという消化酵素によって分解が行われる
  2. 食道・胃を通過する
  3. 十二指腸で膵液から分泌されるアミラーゼによってでんぷんから麦芽糖に分解される
  4. 小腸でマルターゼという酵素によって麦芽糖からグルコースに分解される
  5. 小腸でグルコースが吸収され、血中に移動していく

 

まず初めに炭水化物が口の中に入ると唾液が分泌されて、その唾液に含まれるアミラーゼという消化酵素によって分解が始まります。

このアミラーゼが分解可能なのは炭水化物のみであり、タンパク質と脂質はいくらよく噛んだり唾液と混ぜ合わせたとしてもほとんど分解されません。

 

そしてその後食道と胃を通過し、十二指腸に到達します。

ここで膵臓から分泌された膵液に含まれるアミラーゼによって、さらに分解が進み、多数のグルコース分子が結合したでんぷんの状態から、2つのグルコース分子が結合した麦芽糖(マルトース)の状態になります。

そしてこれらのマルトースが小腸に到達し、そこでマルターゼという消化酵素により、炭水化物の最小単位であるグルコースに分解され、その後小腸から吸収されて全身に巡っていきます。

 

タンパク質の消化吸収

次は「タンパク質の消化吸収プロセス」です

そのプロセスを簡単にまとめると、以下のようになります👇

 

  1. 胃酸により絡まった構造をしているタンパク質分子を解きほぐす
  2. 解きほぐしたタンパク質分子をペプシンと呼ばれる消化酵素がおおざっぱに切断していく
  3. その後十二指腸に到達し、膵液に含まれる消化酵素がさらに分解を進める
  4. 最終的に小腸に到達し、タンパク質の最小単位であるアミノ酸に分解され、小腸に吸収される

 

先ほども言ったとおり、タンパク質はアミラーゼによって分解されません。

そのため口を経由して食道を通り、胃に入って初めて消化が始まります。

 

胃におけるタンパク質の消化において、重要な役割を担うのが胃酸ペプシンの2つです。

まず胃酸はタンパク質の絡まった複雑な構造を解きほぐす役割があります。

そしてその後ペプシンがタンパク質分子を切断していくのですが、このペプシンは胃酸があって初めて効果を発揮することができます。

そのため胃酸は「タンパク質分子の構造を単純化する」こと、そして「ペプシンの効力を発揮させるための環境を整える」こと、の2つの意味でタンパク質を消化する上で非常に大切な存在なのです。

 

脂質の消化吸収

最後に「脂質の消化吸収プロセス」です

そのプロセスを簡単にまとめると、以下のようになります👇

 

  1. 口の中で数%、胃の中で10~30%ほど消化が行われる
  2. 十二指腸に到達すると胆嚢に蓄えられていた胆汁が分泌される
  3. 胆汁に含まれる胆汁酸が脂質と結合する
  4. 結合した胆汁酸と脂質にリパーゼという消化酵素が働きかけ、分解が促進される
  5. その後小腸に到達し、分解され脂肪酸となって腸管から吸収される

 

脂質の消化の大部分(50~70%)は十二指腸で行われます。

脂質の消化を担うのは膵液に含まれるリパーゼという消化酵素です。

 

しかしながら、脂質は油であり、リパーゼは水(消化液)に溶けているため、なかなか混ざり合うことができません。

そこでこの脂質とリパーゼの橋渡し役を務めるのが胆汁に含まれる胆汁酸です。

というのも胆汁酸の分子構造には油にくっつきやすい部分と水にくっつきやすい部分の両方を持っています。

この特徴的な構造によって中性脂肪を浮かせ、脂質を水に溶かしたような状態にすることで、リパーゼによる消化を可能にすることができます。

 

消化プロセスにおける初期段階の重要性

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これまで見てきたとおり、三大栄養素のどれもが最終的に小腸にて分解されて吸収されていきます。

ただし、小腸における消化は栄養が吸収される直前の、いわば消化プロセスの最終段階です。

小腸における消化能力ももちろん大事ですが、そこで適切かつ効率的に消化が行われるためには、その前の消化プロセスの初期段階において、しっかりと食べ物を消化できる能力が必要です。

 

そしてその消化プロセスの初期段階とは以下の3つにまとめられます👇

 

  1. 噛む(炭水化物の消化)
  2. 胃酸&ペプシン(タンパク質の消化)
  3. 胆汁(脂質の消化)

 

まず、よく言われることですが「よく噛む」ことは非常に大切です。

よく噛むことによって唾液が分泌されでんぷん(炭水化物)の消化が進みます。

 

ただし、普段からよく噛んでるにも関わらずお腹が張ったり、ガスっぽかったり、下痢や便秘に悩まされる人も大勢いると思います。

そこで原因として考えられるのが、「タンパク質脂質の消化が十分に行われていないのではないか」という点です。

 

タンパク質の消化胃酸ペプシン脂質の消化胆汁が鍵を握っているので、これらの分泌が少ないと消化が適切に行われなかったり、消化に時間がかかってしまうなど、多くの問題が発生します。

逆にこれらの消化プロセスの初期段階が正常に働けば、

 

  • 小腸における消化がしやすくなる
  • ビタミンミネラルといった微量栄養素の吸収効率が高まる
  • 消化管全体を通して効率的に食べ物を移動させることにより、膨満感やガス、逆流を防ぐ

 

といった恩恵を受けられるのです。

 

そのため、もしここまで読んで「自分に当てはまるかも!」と思った方は、胃酸やペプシン、胆汁の分泌を助ける食品やサプリなどを試してみると、日々の不調が改善される期待大かもしれません^ ^

 

それでは今日はこの辺で〜!