「筋トレやダイエットをしたい」となったとき、カロリーの摂取量、そしてPFCバランスをどのように決めればよいか悩みますよね。自分も最初栄養について学び始めた時は何が何だか分かりませんでした笑
ただ、絶対的に正しいPFCバランスなどは存在しないので、極度にこだわりすぎる必要はないと個人的には思います。
でも日々の摂取カロリーとPFCバランスはボディメイクをする上で非常に大切なこと。
そこでこの記事では、あなたの目標に合わせて、日々の摂取カロリー、そしてPFCバランスの決め方を10ステップで解説していきます。
そして早速その10ステップがこれです↓
- 体重&体脂肪率測定
- 除脂肪体重を計算する
- 基礎代謝量を計算する
- メンテナンスカロリーを計算する
- 目標に応じて、カロリー余剰、カロリー維持、カロリー不足を決める
- タンパク質の摂取量を計算する
- 全体カロリーにおける脂質の占める割合を決める
- 脂質の摂取量を計算する
- 全体カロリーからタンパク質と脂質を引いた残りのカロリーを計算する
- 糖質の摂取量を計算する
1つずつ見ていきましょう。
目次
ステップ1:体重&体脂肪率測定
まずは体重と体脂肪率を測定します。
体重は体重計に乗ればすぐに分かりますが、体脂肪率を知るのってなかなか難しいですよね。
そこでオススメなのがこのサイトです。
体重、身長、ウエスト、首周りを入力するだけで体脂肪率を算出してくれます。
ここで得られる値は必ず合っているという保証は出来ませんが、大幅に外れることはないので大体の目安として使えます。
ステップ2:除脂肪体重を計算する
除脂肪体重とは文字通り「全体重から脂肪の重さを引いた体重」のことです。
もし体重が60kgで体脂肪率が10%であれば、60×10%で脂肪の重さは6kgです。
そのため除脂肪体重は60-6で54kgになります。
ちなみにステップ1で紹介したサイトでは除脂肪体重も体脂肪率と一緒に算出してくれます。
ステップ3:基礎代謝量を計算する
基礎代謝量とは、安静状態における呼吸や心臓の動き、体温維持などの生命活動のために消費される必要最低限のエネルギー代謝量です。
この基礎代謝量を算出する計算式は多くありますが、なかでもMifflin St. Jeor方程式は信頼度の高い算出式の1つです。
その方程式は以下の通りです↓
- 基礎代謝量 (男性) = 10 × 体重(kg) + 6.25 × 身長(cm) – 5 × 年齢(year) + 5
- 基礎代謝量 (女性) = 10 × 体重(kg) + 6.25 × 身長(cm) – 5 × 年齢(year) – 161
もし体重60kg、身長175cm、年齢25歳の男性であれば、基礎代謝量は、
10×60+6.25×175-5×25+5=1,573.75kcal
となります。
ステップ4:メンテナンスカロリーを計算する
メンテナンスカロリーとは、現在の体重(脂肪や筋肉)を維持するためのカロリー量のことです。
私たちは安静時がベースの基礎代謝量に加え、動き回ったりして活動量が増えます。そのためその分のエネルギー消費を賄うことで体重を維持することができます。
そしてメンテナンスカロリーは、基礎代謝に活動係数(活動の強度)を掛けることで推定値を導き出します。
以下が活動強度別の活動係数です👇
ライフスタイル・活動強度(日々の筋トレやジムでの運動は除く) | 例 | 活動係数 |
座りがち | デスクワークで日中ほとんど体を動かさない | 1.2~1.5 |
少しアクティブ | デスクワークだが、散歩が日課 | 1,5~1.8 |
適度にアクティブ | ウェイトレスなどの体を動かす仕事で、たまにスポーツもする | 1.8~2.0 |
非常にアクティブ | 建築系の仕事で、プライベートでもハイキングをよくする | 2.0~2.2 |
ステップ3で使用した例を引き継ぎ、仮に活動強度が「座りがち」に分類されるとします。
すると活動係数は1.2~1.5となり、これを基礎代謝量である1,573.75kcalに掛けることでメンテナンスカロリーが求まります。
仮に活動係数を1.3とすると、メンテナンスカロリーは1573.75×1.3で、2045.875と、約2,000kcalであると分かります。
ステップ5:目標に応じて、カロリー不足、カロリー維持、カロリー余剰かを決める
ボディメイクをするにあたって、達成したい目標は大きく以下の3つに分かれると思います👇
- まずは痩せたい、体脂肪を落としたい
- 筋肉を付けながら、体脂肪も落としたい(リコンプ)
- 体脂肪の増加を防ぎつつ、筋肉を増やしたい
そして結論を先に言うと、あなたの目標が
- ならカロリー不足
- ならカロリー維持
- ならカロリー余剰
となります。
順番に見ていきましょう。
①痩せたい・体脂肪を落としたい場合
一般的に痩せる、体重を落とす、体脂肪を減らすにはカロリー不足状態を作り出す必要があります。
そして具体的にはメンテナンスカロリーの10~20%の不足を作り出すようにしましょう。
例えば、仮にメンテナンスカロリーが2,000kcalなのだとしたら、2,000kcalの10~20%、つまり200~400kcal分の不足となるので、日々の食事を1,600~1,800kcalの間に収めるということになります。
また、もっとカロリー制限をしたほうが痩せると思われるかもしれませんが、20%を超えてしまうと体脂肪と共に筋肉の減少が激しくなってしまいます。そのため過度なカロリー制限は控えた方がいいです。
そして、カロリー不足の状態は当然いつまでも続ける必要はないです。目安としては、男性であれば体脂肪率15%、女性であれば28%ほどまで来れば、次に紹介するカロリー維持の段階への移行を検討してみてください。
②筋肉をつけながら、体脂肪も落としたい場合(リコンプ)
体脂肪が多く蓄積している場合は、やはりまずは体脂肪を落とすためにカロリー不足の状態を作ったほうが望ましいです。
ただ、男性であれば体脂肪率12~15%、女性であれば体脂肪率23~28%ほどと、そこまで体脂肪が多いわけではない場合、徐々に体脂肪を減らすと同時に筋肉を増やせると理想的ですよね。
その場合はカロリー維持の状態、つまりメンテナンスカロリーが2,000kcalであれば、日々2,000kcalの摂取を目標にします。体の変化のプロセスはゆっくりですが、食事管理と筋トレを正しく行うことでリコンプを実現することができます。
③体脂肪の増加を防ぎつつ、筋肉を増やしたい場合
このケースは体脂肪が多少増えてもいいから多くの筋肉を付けたい、体脂肪がほとんどない痩せ型、といった人に当てはまります。
この場合はカロリー余剰を作り出す必要があります。具体的には10~25%のカロリー余剰を作り出すようにしましょう。
仮にメンテナンスカロリーが2,000kcalであれば、200~500kcalの余剰、つまり日々の摂取カロリーは2,200~2,500kcalの間に収まるようにします。
体脂肪を減らす場合と同じく、25%を超える割合でカロリーを摂取してしまうと、筋肉はもちろん増えますが、体脂肪も過剰に蓄積してしまうため、極端なカロリー余剰は控えましょう。
ステップ6:タンパク質の摂取量を計算する
日々の摂取カロリーが決まったら、いよいよPFCバランスを決めていきます。
PFCバランスを決める時は、まず最初にタンパク質から決めるのが普通です。なぜならタンパク質は筋肉を増やす上で欠かせない栄養素だからです。
タンパク質の摂取量を決定する上で使用するのがステップ2で求めた除脂肪体重です。タンパク質の摂取量は、
除脂肪体重(kg)× 2.5~3.0g (体脂肪率が低いほど3.0gに近い値で計算する)を目安に求めます。
仮にステップ2で挙げた例と同じく、体重60kg、体脂肪率10%であれば、除脂肪体重は54kgのため、54kg × 2.5~3 =135~162gと計算することができます。
ステップ7:全体カロリーにおける脂質の占める割合を決める
次は全体カロリーにおける脂質の占める割合を決めます。
脂質は全体カロリーのうち、20~35%(体脂肪率が低いほど20%に近い値で計算する)の範囲で摂るのがオススメです。
脂肪は摂りすぎるともちろん太りますが、まったく摂らないのも摂り過ぎと同じく健康に悪いです。
そのため最低でも全体のうち20%以上は脂質を摂るようにしましょう。
仮に日々の摂取カロリー目標が2,000kcalであれば、脂質の占めるカロリーは400~700kcalとなります。
ステップ8:脂質の摂取量を計算する
ステップ7で得た値をもとに、脂質の摂取量を計算していきます。
これはいたって簡単で、脂質は1gあたり約9kcalなので、ステップ7で得た値を9で割るだけです。
ステップ7で得た値を使えば、44.4~77.7gの間となります。
ステップ9:全体カロリーからタンパク質と脂質を引いた残りのカロリーを計算する
仮に日々の目標摂取カロリーが2,000kcal、タンパク質の摂取量が150g、脂質の摂取量が60gだとします。
その場合、タンパク質は1gあたり約4kcalなので150×4で600kcal、脂質は60×9で540kcal、合わせて1140kcalです。
この値を全体の目標摂取カロリーである2,000kcalから引くと、2000-1140で、860kcalが残りのカロリーだと分かります。
ステップ10:糖質の摂取量を計算する
ステップ9で求めた値が、糖質の占めるカロリー量となります。
ステップ9で求めた値を使うと、糖質も1gあたり4kcalなので、860÷4で215gとなります。
まとめ
これで日々の摂取カロリー、そしてPFCバランスが全て出揃ったはずです。
ただ、記事の冒頭でも述べたように、PFCバランスの絶対的な正解を求めるのは不可能であり、この記事で紹介した方法に必ず従うべき、というわけでは決してないです。
体型を変えたり、ボディメイクをする際はPFCバランスよりも、日々の摂取カロリー、そしてタンパク質の摂取量の方がはるかに大事です。
というのも、体重の増減は基本的にカロリーバランスで決まるものであり、タンパク質を十分に摂取しないと筋肉が発達しないからです。
そのため、カロリーコントロールと十分なタンパク質の摂取がしっかりと出来ているのであれば、ボディビルの大会に出たいといった目標の人でない限り、PFCバランスにこだわりすぎる必要はないと思います。
また、補足として、この記事の方法で求めた日々の摂取カロリーはあくまで推定値です。(どんな計算式を使っても推定値であることには変わりはありません)
そのため日々体重変化を記録し、そのデータを基に日々の摂取カロリーを調整する必要があります。
仮に痩せたくて、メンテナンスカロリーが2,000kcal、日々の摂取カロリーを1,800kcalと定めた場合、1~2週間ほど1,800kcalを続けてみます。
それで順調に痩せているのであれば、そのまま日々の摂取カロリーを1,800kcalに固定し、体重が変化していないのであれば、そこから200kcal減らして1,600kcalにする、といった具合です。
このようにダイエットや筋肉の成長を実現するには魔法のような方法は存在せず、日々の食事管理とその継続および習慣化が大切です。
そのためけっこう地道な努力が必要ですが、しっかり継続することで必ず理想的な体型を手に入れられるはずです。
ぜひ、あなたの理想的な体を手に入れて、人生を謳歌してください!
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